合併迫るFreescale、過去最高益で有終の美：「NXPとの合併準備は順調」とCEO（2/3 ページ）

[Junko Yoshida，EE Times]

売上高成長の重要な要因は？

　Freescaleは、2012年6月にLowe氏がCEOに就任した後、2つの重要課題を設定した。シェアを拡大し売上高を伸ばすことと、売上純利益を増やすことである。

　Freescaleの変化に最も影響を及ぼしたものは何かをLowe氏に尋ねたところ、「従業員が意欲を持って、売上高を大きく伸ばし収益を拡大することに使命を感じると、各自が自発的に目標達成に取り組むようになる。たとえそれぞれの取り組みが小さいものだとしても、1万7000人の全従業員の力を合わせれば、成功を実現できる。これは素晴らしいことだ」と答えた。

　Lowe氏は少し考えた後、「このような考え方は現実的ではないと批判を受けるかもしれないが、私は、こうしたやり方こそが成功を導くと信じている」と付け加えた。

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　同氏にとって、大規模な合併は初めてのことではない。Texas Instruments在籍時に、National Semiconductorとの合併を経験している^＊）。その同氏が、今回のNXPとの合併について「これまでにないほど、順調に準備が進んでいる」と語っている。

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　Freescaleは、同社の本拠地である米国テキサス州オースティンに、既にNXPの複数のチームを迎え入れ、合併準備を進めているという。Freescaleの従業員たちはオランダ語は話せないが、両社の企業文化には共通するものを感じるとLowe氏は述べている。どちらも「技術指向」「成果主義」だという。

マイコンが堅調な伸び

　Freescaleは記者説明会で、マイコンの売り上げが堅調に伸びたことを報告した。32ビットのARMベースのマイコン製品群と、アプリケーションプロセッサ「i.MX」シリーズの売り上げがそれぞれ増加したことによるものだという。

　2015年第2四半期におけるマイコンの売上高は2億9100万米ドル。前期比で23％増、前年同期比では18％増となった。

　Lowe氏はマイコンを「最も断片化した市場である」と述べ、マイコンは電子書籍リーダー端末からドアロックに至るまで、幅広い用途で用いられていると説明した。同氏は、過去数年間におけるマイコン部門の2桁成長の要因について、「スマート機器が普及し始めたことにより、当社の強力な製品ポートフォリオがヒットをたたき出した」と語っている。Freescaleの世界規模の販売代理店（Arrow ElectronicsとAvnet）も、デザインウィンを獲得する上で重要な役割を果たしたと付け加えた。