Appleが、自動車市場への参入に向けて着々と準備を進めているとの根強いうわさがある。Appleは、自動車の周辺機器の開発を強化するのか、それとも自動車そのものを作ろうとしているのか。アナリストとともに検証した。
業界アナリストによると、Appleは自動車市場参入に向けて“アクセル全開”のようだ。同社の自動車の名称に関しては「iRod」や「iMove」「iCar」などさまざまな臆測がなされているが、Appleは自動車開発について沈黙を守っている。
米国の市場調査会社であるStrategy Analyticsのグローバルオートモーティブ部門でアソシエートディレクタを務めるRoger Lanctot氏は、EE Timesに対して、「Appleの狙いは電気自動車だ」と語った。
EE Timesは複数のアナリストに対して、次の質問を投げかけて分析を依頼した。
アナリストからの回答は、ほぼ一致していた。専門家の見解では、鍵となる要因は「電気」「コネクテッドカー」「オンデマンドのカーサービス」「無人自動車」だという。こうした目新しい概念によって、焦りを感じる自動車部品メーカーもあるだろう。一方で、AppleやGoogleのように自動車開発の経験を持たない技術企業が自動車市場に参入する機会が生まれている。
業界のさまざまな専門家の意見を聞いた結果、EE Timesは次のような見解に至った。
最も保守的な意見は、「Appleは自動車そのものを製造するわけではない」という見方だ。Appleの狙いは、ソフトウェアを強化して、自動車の周辺機器の開発を手掛けることだという。
だが、IHS Automotive Technologyのリサーチ担当ディレクタ兼主席アナリストを務めるEgil Juliussen氏は、コネクテッドカーと自動運転車を関連付けて、違った見解を示している。
同氏は、Appleの「CarPlay」とGoogleの「Android Auto」を例に挙げ、「AppleとGoogleは既に、いろいろな意味でコネクテッドカーに関与している」と説明した。「両社は、ドライバーや同乗者向けにコンテンツや情報を提供していて、過去数年間、この分野に大きな影響を与える存在となっている。コネクテッドカー向けのコンテンツにおいては、両社は今後もリーダー的存在であり続けるだろう」(同氏)。
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