INTERPOLの環境専門家であるIoana Botezatu氏は、EE Timesとの電子メールのやり取りの中で「CWITレポートは、複数の利害関係者の多角的な見解や視点を、1つのメッセージとしてまとめ上げることに初めて成功したといえる。政府の公式な情報源はもちろん、オープンソースの情報も利用することにより、WEEEに関する大規模かつ徹底的な研究を実現している」と述べる。同氏は、CWITプロジェクトのコーディネータも務めている。
Botezatsu氏は、「EUの法律は世界で最も厳格だとされてきたが、今回の調査結果から、欧州内で不法取引・不正管理されている電子機器廃棄物の総量は、アフリカのものよりも多いということが明らかになった」と説明する。
アフリカには電子機器廃棄物が不正に流れ込んでいるといわれてきたが、今回のCWITのリポートによって、そうではないことが分かった。データによれば、欧州で不正に取引されている、または適切に管理されていない電子機器廃棄物は465万トンに上るという。
結局、廃棄された基板や部品から、貴重な金属や高価な部品をあさり、不正に取引するという行為は、法規制などがまだ整っていない途上国に限らず、どこででも起こり得るのである。
CWITのリポートにまとめられている数値を、いくつか挙げておこう。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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