メディア

ドローンに非接触給電、充電時間は約1時間2.4GHz帯でRF-DC変換効率70%以上を達成

エンルートと日本電業工作は、ドローンに搭載された電池を非接触で充電できるシステムを共同開発した。約1時間で充電することが可能だという。災害調査など厳しい使用環境にも対応することができる。

» 2015年10月14日 10時00分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

 エンルートと日本電業工作は2015年10月、ドローンに搭載された電池を非接触で充電するシステムを共同開発した。約1時間で充電することが可能だという。非接触給電により、防水性や防塵性に優れており、災害調査など使用環境の厳しい状況にも対応することができる。

 共同開発したドローン搭載電池への非接触充電システムは、「送電器」、「送電アンテナ」、そしてマイクロ波を直流電流に整流変換するアンテナ「レクテナ(Rectenna)」をパッケージにした製品「MIRAC(ミラック)」である。今回は新たに、2.4GHz帯の共鳴送電タイプを用意した。

ドローン搭載の電池に非接触で充電するシステムの外観

 エンルート製小型ドローンに受電装置を搭載し、ベース装置側に送電装置を取り付けた。ドローンがベース装置に着陸した際に、非接触で充電が行われる。ドローンに装着した受電装置は、重さが約30gで、電磁誘導方式などに用いられるコイルと比べて、極めて軽量である。

 マイクロ波帯の共鳴結合方式のため、給電する際の送受電結合器同士の位置合わせも自由度が高い。しかも、伝送効率は横ズレ±10mmの範囲で最低80%を実現している。さらに、日本電業工作のレクテナ技術により、RF-DC変換効率が約70%あるいはそれ以上の効率を達成した整流回路を用いている。

左はレクテナ装着時のイメージ、右は結合器の外観

 両社によれば、「充電時間は約60分」である。また、「充電用ベース装置は保管兼運搬用の機材に組み込まれており、充電のために別途機材を用意する必要はない。非接触方式なので防水性、防塵性に優れている」という。充電のための金属端子/面が露出していないため、細かい微粒子による充電不良や、降雨などによる電気短絡などの心配がないのも特長の1つである。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSフィード

公式SNS

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.