ソニーモバイルコミュニケーションズ(ソニーモバイル)とZMPの合弁会社であるエアロセンスは、自律型の無人飛行機(UAV)とクラウドシステムを組み合わせて、モニタリングや測量、データ解析などを行う法人向けサービスを2016年前半より始める。
ソニーモバイルコミュニケーションズと、ロボット技術を手掛けるZMPの合弁会社であるエアロセンスは2015年8月、自律型の無人飛行機(UAV)とクラウドシステムを組み合わせて、モニタリングや測量、データ解析などを行う法人向けサービスを2016年前半より始めると発表した。
エアロセンスは、2015年8月3日付で設立された合弁会社。新会社ではソニーが強みを持つカメラセンシング技術、通信ネットワーク技術およびロボットに関する技術と、ZMPの自動運転技術、ロボット技術及びさまざまな産業システムに展開するノウハウなどを活用し、建設業界や物流業界、農林水産業界などにおける主要な企業と連携し、状態監視や測量など新たなサービスを提供していく計画である。
具体的には、飛行エリアやその目的をあらかじめ設定しておいた自社製UAVが、離陸ボタンを押すだけで設定に応じて自律飛行し、目的を終えると自動で帰還する。自律型UAVを用いることで、人為的な操作ミスや設定目的以外での飛行を防止することができるという。
エアロセンスは2種類のUAVを用意した。試作機のマルチコプター型UAVは、慣性航行システム(INS)や全地球測位システム(GPS)、視覚による自己位置測定(Visual SLAM)などの機能によって高い自律飛行性を実現している。無線切断やバッテリ容量の低下、設定領域外への飛行を検知した場合などに自動帰還するフェールセーフ機能も備えた。映像の撮影にはソニー製レンズスタイルカメラ「DSC-QX30」を搭載している。
もう1台は垂直離着陸型UAVの実験機である。メインモーターはホバリング状態だと垂直向きだが、飛行時には水平向きに可変する。これにより飛行速度は時速最大170km、飛行時間は2時間以上を達成している。積載量は最大10kgである。
実際にUAV搭載のカメラで撮影した高精細の画像や動画のデータは、無線システムで伝送され、クラウドシステムとシームレスに連携することができる。エアロセンスでは、実際に取得した画像や動画をベースに、測量やスペクトル解析、画像認識などの解析も含めて、顧客の要求に基づいたソリューションを提供していく。高精細2Dマップや3Dモデルとして即日、顧客に提供することも可能である。
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