PCIeが今後の主流に : 福田昭のストレージ通信(19) SSDインタフェースの現在(1) (2/2 ページ)
SSDの市場成長をこれからけん引する分野は、データセンターだとPappas氏は予測する。データセンター向けSSDの市場規模(世界全体)は2014年に46億ドルと推定している。これが2018年には、約100億ドル(1兆2000億円)に拡大する。2018年におけるデータセンター向けストレージの市場規模(世界全体)は約230億ドルと予測しているので、SSDはストレージ全体の4割強を占めることになる。そして2017年には、データセンター用SSDの半分がNVMe(NVMエキスプレス)インタフェースを備える。NVMeは、PCIeを電気的仕様に採用したSSD用のプロトコル・インタフェースである。
データセンター用SSDとストレージの市場予測(クリックで拡大)
データセンター用SSDのインタフェースを出荷台数ベースで見ると、2014年には8割以上をSATAが占めており、残りをSASが占有していた。PCIeの出荷台数比率は0%に近い状態だった。それが5年後の2019年には、PCIeの出荷台数比率は全体の6割近くにまで上昇する。
またインタフェースの比率を記憶容量ベースで見ると、2014年の時点ではPCIeが5%、SATAが70%、SASが25%の割合をそれぞれ占めていた。それが5年後の2019年には、PCIeが70%と主流となり、SATAとその地位を逆転する。そのほかはSATAが15%、SASが15%となる。
データセンター用SSDのインタフェース別出荷比率の予測。左は台数ベース。右は記憶容量ベース(クリックで拡大)
PCIeインタフェースを搭載するデータセンター用SSDのフォームファクタは、おおむね3種類に分かれる。1つは2.5インチHDDとほぼ同じフォームファクタで、これが全体の86%を占める。もう1つは、PCIeスロットの拡張カードである。そして、M.2タイプの小型カードが存在する。
データセンター用SSDの主なフォームファクタ(クリックで拡大)
(次回に続く )
SanDiskが身売り検討か
メモリメーカーである米SanDiskが競合企業への事業の売却を検討していると米Bloombergが2015年10月13日(米国時間)に伝えた。売約先としては、米Micron Technologyや米Western Digitalの名が挙がっている。
東芝、3D NANDメモリ専用製造棟の一部が完成
東芝とSanDisk(サンディスク)の両社は2015年10月21日、NAND型フラッシュメモリの製造拠点である東芝四日市工場(三重県四日市市)で建設していた「新・第2製造棟」の建屋が一部完成し、同製造棟への設備投資を共同実施することで正式契約を締結したと発表した。
東芝、SSD並みの性能を実現する組み込みNANDメモリ用コントローラ開発
東芝は、組み込み式ストレージメモリ標準規格である「JEDEC Universal Flash UFS Version 2.0」などに準拠し、「世界最高速」(同社)というUFSメモリコントローラを開発した。従来コントローラに比べ、ランダムリード性能で約10倍の性能を達成したという。
「SSDが壊れる」まで(前編)
ノートPCなどのストレージとして急速に市場が拡大しているSSD(Solid State Drive)。その信頼性に対するイメージはHDDと比較されることが多いが、「平均故障間隔」と「年間故障率」の数値を単純に比較すればいいというわけではない。そこで今回は、SSDの寿命にかかわる要素を解説する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.