今回は、基本的な疑問「人はなぜダイエットをするのか」に立ち戻り、ある仮説を立ててみました。しかし、それを数値的に検証すればするほど、出口のない無限ループにはまり込み、まるで禅問答と向き合っている状態に陥ってしまったのです。
「世界を『数字』で回してみよう」現在のテーマは「ダイエット」。人類の“永遠のテーマ”ともいえるダイエットを、冷静に数字で読み解きます。⇒連載バックナンバーはこちらから
「そんなことは、絶対ない!」
私が、今回のコラムから導いた仮説を説明すると、リビングにいた家族(全員女性)は一斉に異議の声を上げました。
無理もありません。
解析を続けてきた私ですら、この仮説を受け入れるのは難しかったくらいなのです。
今回のコラムは、今年の8月に行われた招待講演「『人類は、"ダイエットに失敗する"ようにできている』を数理的に検証する」のプレゼン資料をベースに再構成したものです。
その時の講演で、私は、ある部分の解析結果について、筋の通った仮説が作ることができませんでした。その時は、「正直に申し上げて、全く訳が分かりませんでした」と言って、聴講者の皆さんにおわびしました。
今回、もう一度、データをにらみながら、仮説の組み立てから始めてみました。
そして、ある1カ所の因果関係が切断されていることや、本来存在すべき母集団がゴッソリ抜けていることに気がつきました。
実際に、アンケートの統計データや推論エンジンの結果、そして、投稿サイトのテキスト解析結果を纏めてみると、なんど繰り返しても、以下のような仮説に戻ってきてしまうのです。
ダイエットをしている人の多くは、「ダイエットのためにダイエットをしている」
こんにちは。江端智一です。
今回は、前回ご紹介したアンケート結果などを使って、『一体、みんな、何のためにダイエットをやっているのだろう』というテーマを検討してみたいと思います。
まず、(前回も説明致しましたが)今回のアンケートに応じていただいた皆さんの概要を下記に記載致します。
さて、上記の表より、78%の人が「モテたい」と考えていますが、これを男女比で調べてみました(今回も、NTTデータ数理システムさんの“BAYONET”を使わせていただきました)。
男女共に同じ比率(8割程度)で「モテたい」と考えているようです。「モテたい」に性差が表れていないというのは興味深い結果です。
ところが、ちょっと視点を変えると、結果はガラっと変わってきます。
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