PC市場が縮小の一途をたどっている。IDCによると、2015年のPC世界市場は3億台を下回り、2億7620万台にとどまった。3億台を下回ったのは2008年以来初めてだという。
米国の市場調査会社IDC(International Data Corporation)によると、2015年の世界PC出荷台数は、前年に続き減少したという。半導体業界にとってこれまで最も重要とされてきたPC市場だが、これで4年連続の縮小となる。
2015年の世界PC出荷台数は、わずか2億7620万台にとどまった。3億台を下回ったのは2008年以来初めてのことで、出荷台数は4年連続で減少したことになる。
また、2015年第4四半期のPC出荷台数は、前年同期比10.6%減となる7190万台にとどまっている。前年比での減少幅としては、これまでで最も大きかった2013年の9.8%減を上回る結果となった。
順位 | 社名 | 2015年Q4出荷数 | 2015年Q4シェア (%) |
2014年Q4出荷数 | 2014年Q4シェア (%) |
成長率 (%) |
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1 | Lenovo | 1539万4000 | 21.4 | 1612万5000 | 20.0 | −4.5 |
2 | HP | 1429万 | 19.9 | 1590万 | 19.8 | −10.1 |
3 | Dell | 1016万9000 | 14.1 | 1078万 | 13.4 | −5.7 |
4 | ASUS | 571万3000 | 7.9 | 566万8000 | 7.0 | 0.8 |
5 | Apple | 565万8000 | 7.9 | 550万4000 | 6.8 | 2.8 |
その他 | 2066万4000 | 28.7 | 2646万 | 32.9 | −21.9 | |
合計 | 7188万9000 | 100.0 | 8043万6000 | 100.0 | −10.6 | |
出典:IDC |
IDCでWorldwide PC Tracker部門のバイスプレジデントを務めるLoren Loverde氏は、発表資料の中で、「PC市場は依然として競争力を維持しているが、最近の中国株式市場の下落によって、経済状況は悪化の一途にある」と述べている。
しかし同氏は、「今後、『Windows 10』の商業利用が進んでいけば、消費者の購買意欲も安定していくことから、特に2016年後半にはPCの買い替えが進むとみられる」と述べる。
また、「PCユーザーの大半は、Windows 10へのアップグレードを先延ばしにしている。しかし、セキュリティや性能に関する問題に直面するようになれば、そういうわけにはいかなくなるだろう。われわれの予測では、魅力的な価格帯の新製品が登場すれば、こうしたユーザーの多くが新しいPCを購入するようになるとみている」と続けた。
米国の市場調査会社Gartnerによると、2015年第4四半期のPC出荷台数は、前年同期比8.3%減となる7570万台だったという。Gartnerは、IDCとはやや異なる方法でPC出荷台数をカウントしているが、2015年のPC出荷台数について、前年比8%減となる2億8870万台と予測している。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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