センサーに取り付けられた各マイクロフォンに到達する音は、音源となるドローンの位置によって時間差(位相のずれ)が生じる。この信号の位相差を解析することで音源方向を特定する仕組みである。河川敷などのような環境騒音レベルが46dB程度の場所においては、最大300m先のドローンを検知できるという。音の強度やドローンが発する音の特長から座標情報を求め、音源を2次元的に可視化することもできる。「センサーを設置する場所の周辺ノイズを事前に測定/分析することで、定常的なノイズは自動的にマスキングすることができるため、システム構築も容易」(尾崎氏)という。
センサーの検出範囲は水平、垂直とも150°である。3台のセンサーを組み合わせて用いることで、水平360°の範囲を監視して飛行音を検知することができる。さらに、オプションの旋回型監視カメラを組み合わせると、音検知センサーから得られた座標情報をベースに、ドローンを自動追尾して画像表示することが可能になるという。
高度な「セキュア技術」は、Symantecとの協業により実現可能となった。協業によって得られた技術を監視カメラに応用することで、セキュリティのレベルを格段に向上することができるという。同社セキュリティシステム事業部の課長を務める野口英男氏は、「IoT(モノのインターネット)/M2M(Machine to Machine)時代に、監視カメラは重要なセンサーとなり、これからも多くのカメラがさまざまな場所に設置されるだろう。それだけに、監視カメラにおけるセキュア技術は一段と重要性を増す」という。
こうした中で野口氏は、「脆弱(ぜいじゃく)性診断・対策により機器を守る」「通信経路の暗号化(SSL)で通信傍受を防ぐ」「映像データの暗号化や署名でコンテンツを守る」ことを、同社の取り組みとして挙げた。これらの課題を解決していくのが「パナソニックの暗号モジュールとSymantecの証明書である」という。
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