まずメリットから並べてみます。
(1)ダイエットの緻密なデータ収集と、実体験と、仮説検証を完了できた
これらは全て、この連載の中で十分に利用することができました。そして、私のエンジニアとしての仮説「人間の身体は制御システムであり、体重は物理法則だけでコントロール可能である」の検証を行うことができました。
ひとことで言えば、「『食えば太り、食わねば痩せる』を定量的に確認した」ということです。
(2)世の中のダイエット本の著者と論争できるという自信がついた
なにしろ、私は理論とデータの両方を、この手に持っているのです。私の立てた仮説に対するどんな反論に対しても、100%論破できる自信があります。
(3)体が軽くなった
以前、子どもを助けるためにダッシュしたら、肉離れした(参考ブログ)という間抜け事故を起こしたことがあるのですが、今は普通に走れるようになり、同じ事故の発生の確率は低くなったように思います。長時間の歩行や電車通勤も本当にラクになりました。また、腹のぜい肉の窮屈感がなくなって、机にうつぶして昼寝をするのがラクになりました。
(4)20年前の服が着られるようになった
これは、20年も服を保存しておいた、「収納に対する嫁さんの執念」の方に感服しています。
でも、結局はそれだけのことです。
私が、女性にモテるようになったという事実は、全く確認されていません。
「嫁萌え」した私とは逆に、嫁さんは「痩せすぎて気持ち悪い」と言っています。
娘たちは、自分の父親が、アホな人体実験で倒れて、経済的損失(進路の選択の幅が狭くなるなど)が発生しないかを、露骨に心配しているありさまです。
会社では、後輩達に加えて、上長すらも私の側に近寄らなくなった様な気がします(後述)。
では、この流れで「デメリット」の方も語ってみましょう。
(1)強烈な不眠症
そもそも私は不眠症気味なのですが、ダイエットの開始と同時に、十分な睡眠時間が取れなくなりました。早朝に目が覚めたら、精神安定剤やウイスキーで、自分を無理やり自分を寝かしつける、ということをやっていました。
(2)激烈な筋肉痛
ダイエットはぜい肉だけでなく、筋肉も削っていきます。私の場合は、尻の筋肉が削り取られて、椅子に座っても痛みを感じるようになりました。
決定的だったのは歩行です。踵の骨が道路のアスファルトと擦れるような痛みに耐えながら、出社しなければならなくなりました。
(3)歩行障害の多発、バランスの欠如
平行感覚を失い、歩道のガードレールにぶつかったり、溝に落ちそうになったりしました。自分が明確に真っすぐに歩いている意識があるのに、方向が変わっていくのを認識した時は、本当に怖かったです。
また、物をよく落すようになりました。「モノをつかもうとしたら、空(くう)を握っていた」時には、恐怖で震えました。
(4)老眼の著しい進行、めまい
毎日視力が変動するようになりました。疲労の激しい日は、どこを見ても文字が滲んで見えるようになりました。また、1〜2秒くらい時間が消える、という体験もしました。
(5)猛烈な倦怠感、暴力的な睡魔
体の細胞が鉛に変化したのではないかと思うくらい、体が動かなくなりました。また、睡魔で意識がもうろうとなり、仕事にならなくなるため、(食欲がないのに)チョコレートやようかんを摂取するという緊急対処もしました。
(6)いわゆる「ダイエットハイ」の発生
1日平均4時間くらいの睡眠でも、10時間くらいぶっ続けで、PCの前でプログラムのコーディングをすることができる状態になりました。いわゆる、この状態です。
(7)異様なオーラの放出
私は意識していないのですが、ダイエット中に歩いていると、人の集団が割れて、真ん中に私の道ができる ―― 旧約聖書の「出エジプト期」―― を、地で行く現象が見られました。
(8)その他、性欲の減退、人の意見が聞かなくなった、などについては、こちらをご覧ください(「ダイエットで脳が壊れる? 危険な“負の連鎖”」)。
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