もちろん、これらのデメリットのほとんどは、目標体重に到達後、日を重ねるごとに、徐々に回復してきましたが、
普通、これだけのデメリットがあれば、ダイエットやめるよね。
私が、それでもダイエットを強行したのは、(1)この連載のために、ダイエットの体重データがどうしても必要だったから、(2)自分のダイエット仮説を検証したかったから、という、個人的かつ特殊な事情があったからです。
メタボだの、キレイになりたい、だのという、ボンヤリとした目的だけで、上記のデメリットを乗り越える人がいたら ―― それはそれですごいと思うけど ―― 正直、「怖い」と思います。
では、ダイエットシリーズ最終回をまとめます。
【1】「低インスリンダイエット」「糖質制限ダイエット」を例として、あらゆるダイエットの効果を、その手法から定量的に比較する方法がないことを示しました
【2】発想を逆転して、体重から摂取カロリーを逆算する考え方と、その簡単な計算方法を提示しました
【3】「体重計」と「ノート」だけを使う、江端のダイエット法の具体的な手段をご紹介しました
【4】江端の実践した150日のダイエットの効果と、そのメリットとデメリットについて話しました
以上です。
ダイエットシリーズは、「人類は、"ダイエットに失敗する"ようにできている」をテーマとして取り扱ってきました。
そして、シリーズ全部を通して、考えうるさまざまな方向から検討をし続け、その「失敗に至る理由」を明確にしてきました。
"ダイエットに失敗する"ように作られている私たちは、日々を生き抜くために、心を壊さないために、種として存続するために、そして、わが国の経済を回すために、運命的にダイエットに失敗しなければならないのです。
最後に、それでもなお、ダイエットを諦めずに日々を闘い続ける「あなた」に、この疑問を問いかけて、このシリーズのトリを飾りたいと思います。
「そのダイエット、本当に必要ですか?」
(謝辞)
本ダイエットシリーズでは、多くの方からご支援頂きました。
私のアンケートに応じていただいた34人の皆さまに感謝申し上げます。
50問もの質問に応じていただきましたこと、誠にありがとうございました。
皆さまのアンケート結果によって、私の仮説「ダイエットはモテるため」は根底から破壊されました。皆さまのおかげで、私は「ダイエットの目的は、『訳が分からない』もの」という仮説修正をよぎなくされ、そして、いまだに訳が分からないまま、このシリーズの最終回に至ってしまいました。
上記のアンケート結果の解析には、下記のツールが大活躍致しました。
NTTデータ数理システム社製、Visual Mining Studio, Text Mining Studio, BAYONET。
また、自分で作った膨大なアンケート項目の取り扱いに困っていた時に、適した解析手法をご教示いただき、大変に助かりました。
数理システムスタッフの皆さまに感謝申し上げます。
平成横浜病院 総合健診センターの管理栄養士の、伊藤玲子先生、久保寺理恵先生に、心より感謝申し上げます。
インタビューの際にご教示いただいた「一番効果のあるダイエットとは?」との私の疑問に対する、「記録する(レコーディング)ダイエットです」というアドバイスは、この連載の軸にもなりました。
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