キーサイト・テクノロジーは、「テクノフロンティア 2016」において、ナノアンペアレベルの電流波形観測を可能としたデバイス電流波形アナライザー「CX3300」を用い、Bluetooth Low Energy(BLE)無線搭載モジュールの微小な漏れ電流などを測定するデモ展示を行った。
キーサイト・テクノロジーは、「TECHNO-FRONTIER 2016(テクノフロンティア 2016)」(2016年4月20〜22日、千葉市・幕張メッセ)において、ナノアンペアレベルの電流波形観測を可能としたデバイス電流波形アナライザー「CX3300」を用い、Bluetooth Low Energy(BLE)無線機能を搭載したモジュールの微小な漏れ電流などを測定するデモ展示を行った。
新製品のCX3300シリーズは、本体と電流センサーからなる。本体には高速/高分解能のA-Dコンバーターを搭載している。サンプリングレートは1Gサンプル/秒、分解能は14ビットである。組み合わせる専用の電流センサーは3種類を用意している。その1つがピコアンペアクラスの微小な電流測定を可能とした「トランスインピーダンス型電流センサー」である。測定レンジは150pA〜20mAとなっている。周波数帯域は最大200MHzに対応している。
電流センサーはこれ以外に、測定レンジが40nA〜10Aの「汎用電流センサー」と、測定レンジが40nA〜1Aで、1つは200mAレンジ、もう1つは2mAレンジで測定できる「2チャネル電流センサー」がある。
「当社は半導体テスターの開発も手掛けており、フェムトアンペアなど極めて小さい電流を測定する技術は蓄積している。しかし、高速の微小電流波形を捉えることはこれまでできなかった。CX3300を用いると、従来はノイズフロアに埋もれて観測できなかった漏れ電流など、1mA以下の微小な信号波形もダイナミックに観測することができる。これにより、IoT機器などで消費電力のさらなる低減に向けた、適切な対応が可能となる」(説明員)と話す。
IoT(モノのインターネット)関連の端末機器では、内蔵した電池でより長時間の動作が求められる。しかも動作環境は、センサー関連だと間欠的にデータを送信し、大半はスタンバイ/スリープモード状態となる。この状態の消費電力をいかに小さく抑えるかが、電池の使用時間を大きく左右することにもなる。
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