研究チームは、スコッチテープを用いた機械的剥離法で、HfS2薄片を基板上に転写した。この薄片を原子間力顕微鏡で観察したところ、厚みは2〜10原子層程度であることを確認した。この薄片上に金属電極を形成し、裏面半導体基板をゲート電極としたMOSトランジスタを作製した。試作したトランジスタの電流電圧特性は、良好な飽和特性を示すことを確認した。ゲート変調による電流のオン/オフ比も、104のトランジスター動作が得られた。これまで絶縁体と考えられていたHfS2が、電子デバイスの材料として有用であることを示した。
さらに研究チームは、ゲート電極として電解質を用いた電気二重層トランジスタの構造で、その特性評価を行った。そうしたところ、電流電圧測定でオン/オフ比105を維持しつつ、従来の遷移金属ダイカルコゲナイドを上回る電流密度を得ることができたという。
研究チームは今後の取り組みとして、HfS2表面の適切な保護及び電極との接触について改善を行っていく。そして、固体ゲート絶縁膜を用いながら電解質電極と同等性能を達成した超低消費電力デバイスの開発に結び付けていく予定だ。HfS2は、他の二次元材料と異種材料接合を行うことで、顕著な量子効果の発現が見込まれている。このため、二次元系トンネルトランジスタなどへの応用も期待できるという。
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