Rechlin氏はRECOMの強みについて「3万品種にも及ぶ極めて幅広い製品群を提供していること」を挙げる。「カスタマイズはもちろん、500個、1000個といった少量生産にも対応可能なところも強みだ」(同氏)。世界各国に営業拠点を置き、サポート体制の強化にも努めている。アジアにはシンガポール、上海、東京の3カ所に営業拠点がある。東京の拠点は2014年に設立されたばかりだ。
RECOMは現在、2016年11月にドイツ・ミュンヘンで開催される「electronica 2016」に向けて新製品の開発を進めているという。Rechlin氏は、今後の注力分野として高電力AC-DCコンバーター市場を挙げた。「つい最近も120WのDINレール電源ユニットや、40Wから150Wまでの医療機器向け電源などを発表した。汎用向けでは、最大500Wまで製品ラインアップを拡大する予定だ」(同氏)。Rechlin氏は、「これまでRECOMは伝統的に低電力や中電力の電源市場に注力してきたが、今後は高電力も視野に入れて製品群を拡張していく」と述べる一方で、「この分野には競合もひしめいており、道のりは決して平たんなものではない。約2年半前から高電力製品の開発を始めたが、低電力・中電力製品とはトポロジーなどが異なるので設計も簡単ではなく時間がかかっている」と、高電力電源市場に参入する難しさもにじませていた。
【取材協力:Mesago PCIM】
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