修理などメンテナンス領域に関しても、自前主義を貫く。電子計測機器分野では、元計測機器メーカーのエンジニアを雇用し、故障した計測機器を自前で修理できる体制を強化している。
「計測機器メーカー側も、われわれの取り組みに協力的で、修理に必要な情報提供を得られるだけでなく、(保証期間内の機器については)修理代行としてその費用を負担してもらっている」といわばメーカー公認の修理体制が整う。「現状、7割程度の故障は、自社で修理できている。時間、コスト両面でメリットが大きく、さらに自社修理率を高められるよう強化していきたい」(松野氏)
メンテナンス関連では昨今、リスクが増大しているソフトウェアウイルス対策も徹底している。「計測機器といっても最近は、その大半がOSが搭載されたコンピュータであり、ウイルスの標的となっている。実際、貸し出しから戻ってきた計測機器はかなりの割合で、何らかのウイルスに感染している」(松野氏)というほどだ。
そこで、オリックス・レンテックでは、技術センターから出庫時、入庫時に全ての機器に対し、ウイルスチェックテストを実施し、「技術センター内にウイルスを絶対に侵入させない体制を敷いている」という。時間的損失を最大限圧縮するための取り組みの中で、全量のウイルスチェックは大きな負担となるが、松野氏は「信頼、品質に関わる必要不可欠な作業は、一切、怠らず実施する」と言い切る。
「恐らく世界唯一の規模」という校正施設と、メーカー公認の修理体制で、3万3000品種もの機器レンタルサービスを展開するオリックス・レンテックだが、「ニーズがある限り、取扱い品種/サービスをさらに拡大させる」と、まだまだサービス提供範囲を増やし続ける。
特に注力しているのが、充実した校正/メンテナンス設備を生かした各種受託サービスだ。自社所有品だけでなく、顧客所有の計測機器を校正機関として校正するサービスを古くから展開。また神戸の技術センターでは、計測作業自体を受託する受託計測サービスも実施し「近く東京の技術センターでも同様の計測受託サービスを実施できる体制を整える」(松野氏)との方針だ。
取扱い領域の拡大にも積極的だ。最近では、ロボットや3Dプリンタのレンタルサービスをスタートさせた。3Dプリンタでは、貸し出しが難しい大型金属3Dプリンタを所有し、造形サービスの提供も実施。計測機器、PC/サーバに続き、新しい独自ビジネスモデルの構築に着手している――。
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