三菱エンジニアリングプラスチックは2016年9月12日、同社が展開する「高意匠性ポリカーボネート樹脂」において、新たにゴールド色や透明系偏光パール、アルマイト調色を開発したと発表した。
三菱エンジニアリングプラスチックは2016年9月12日、特殊な染顔料と独自の配合技術を駆使し、ポリカーボネート樹脂の特性を維持した「高意匠性ポリカーボネート樹脂」の、新たな意匠と樹脂を開発したと発表した。同社のWebサイトによると、一般的なポリカーボネート樹脂とは、ビスフェノールAを原料として合成される非晶性のプラスチック。優れた透明性と高い衝撃性を生かし、さまざまな着色用途に用いられている。
しかし、一般的なポリカーボネート樹脂は、特殊な偏光調色を施すと、加工温度の高さから、衝撃性や成形加工性の低下が発生しやすいため、意匠性の原着技術としてはピアノブラックやメタリック色に限られ、成形後に塗装を施すことが一般的という。
同社はこれまで、ポリカーボネート樹脂の特性を維持したまま、金属調、偏光パール、偏光メタリック、蓄光、蛍光透明といった高意匠を展開してきた。今回、新たにゴールド色や透明系偏光パール、アルマイト調色を開発したのに加えて、衝撃性や成形加工性が低下しにくいポリカーボネート樹脂アロイと特殊なポリカーボネート樹脂を開発。これにより、より多くの製品に適用できるようになったとしている。
ポリカーボネート樹脂アロイでは、ポリカーボネート樹脂をアロイ化し、靱性(じんせい)を付与することで、意匠性の低下を抑えつつ衝撃性を向上している。高意匠調色のノッチ付きシャルピー衝撃値では、ポリカーボネート樹脂が10kJ/m2なのに対して、ポリカーボネート樹脂アロイは60kJ/m2となっている。
特殊なポリカーボネート樹脂では、高意匠性樹脂を高流動化したとしても、意匠性を低下させずに、衝撃性も維持できるようになったとする。
同社はリリース上で、「今回開発したラインアップにより、アミューズメント、自動車、電気電子分野の筐体部品やシート、フィルムの外観を高められる。特に、塗装を必要としている自動車内装、高衝撃ABS樹脂塗装部品の代替などに最適」と語る。
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