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» 2016年12月09日 09時30分 公開

策定完了で本格発進、NB-IoTに期待するHuaweiMBBフォーラムを日本で初開催(2/2 ページ)

[村尾麻悠子,EE Times Japan]
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NB-IoTは普及しやすい

 キュウ氏は「もちろん、どのネットワーク技術が最も優れているかという話ではない。それぞれの技術に合ったシナリオ(ユースケース)がある」と前置きした上で、NB-IoTは、3GPPにより標準化されていること、既存の基地局を使えること、(セルラーIoTの中でも)低消費電力なこと、といった理由から、普及しやすい素地を持っていることを示唆した。

 ファーウェイは既に、基地局向けにNB-IoT対応のソフトウェアを準備している。キュウ氏によれば、「当社の基地局を使っているオペレーターは、ソフトウェアをアップグレードすればNB-IoTを使えるようになっている」という。さらにファーウェイは、NB-IoT対応のチップセットも用意している。

 キュウ氏は「もう1つ、われわれはパートナー各社と共同で、NB-IoTに向けたさまざまなユースケースを開発している」と述べる。技術があってもユースケースがなければ、その技術は普及しないからだ。

7つの分野のユースケース

 同氏はファーウェイが考えているユースケースについて、「3つのA、2つのE、2つのMから成る7つの分野」を挙げた。3つのAとは「Automotive(自動車)」「Asset Tracking(資産トラッキング)」「Agricultre(農業)」、2つのEは「Energy(エネルギー)」と「Environment(環境)」、2つのMは「Metering(スマートメーター)」と「Municipal(都市行政)」を指す。

 キュウ氏が特に有力なユースケースとして挙げるのが、スマートパーキングだ。ファーウェイが2016年11月に発表した「Smart Transportation」のレポートには

  • 米国ロサンゼルスでは、道路渋滞の8〜74%が、駐車場を探してぐるぐる走り回っているクルマによって引き起こされている
  • 米国ニューヨーク・マンハッタンの15ブロック内のエリアでは、駐車場を探し回る自動車によって年間12万9561米ドル相当の燃料費が無駄に使用されている
  • 同じくマンハッタンでは、駐車場を探し回る自動車によって年間325トンもの二酸化炭素が排出されている

という調査結果が報告されている(参考「Huawei Smart Transportation」)。スマートパーキングを導入すれば、こうした問題の緩和が大いに期待できる。

 今回のMBBフォーラムでは、ソフトバンクがNB-IoTを使用したスマートパーキングシステムのデモを披露した(関連記事:ソフトバンクがNB-IoTの屋外デモ、「国内初」)。屋外でNB-IoTのデモを行ったのはソフトバンクが「国内初」(同社)としている。ソフトバンクは、NB-IoTの他、同じセルラーIoTである「LTE-Cat 1」「LTE-Cat M」を、2017年夏から順次、全国に展開していく予定だ。

左=MBBフォーラムのデモブースでも、スマートパーキングのユースケースが紹介されていた。駐車場を探してぐるぐると走ることが、道路の渋滞や排気ガスの増加を招いている/右=MBBフォーラムでソフトバンクが行ったNB-IoTによるスマートパーキングのデモ。写真は、NB-IoT対応のセンサーを設置した駐車スペースである。赤枠がセンサーで、青枠は基地局。デモなので地面の上に設置しているが、実用化される際は地中に埋め込まれる(クリックで拡大)

 スマート農業やスマートメーターも、NB-IoTに極めて適したユースケースだと、キュウ氏は説明する。「温湿度センサーなどをビニールハウスや土の中に取り付けることで、より細かく環境をモニタリングできる。それによって収穫高が上がるというデータがある。スマートメーターについては、特に国土が広い国での需要が高い」(同氏)

左=スマート農業におけるNB-IoTのトライアルで実際に使用されているシステム。オーストラリアなどでトライアルが行われている。環境情報をセンシングしてNB-IoTでデータをクラウドなどに送信する/右=NB-IoT対応のスマートメーター(水用)。水道管の故障を検知することもできる(クリックで拡大)

2020年までに21億個がLPWAにつながる

 キュウ氏は、NB-IoTの課題について「技術的な課題はほとんどクリアされているが、アプリケーションの開発に時間がかかるだろう。とにかく数が多いからだ。先ほど、ファーウェイが考えている7つの分野を挙げたが、それだけでも業界が多岐にわたっていて、(ネットワークやデバイスに対する)要件はさまざまだ。こうした要件に応えられるようにアプリケーションを開発していくのは、時間も体力も必要だろう」と述べている。

 NB-IoTの浸透は、今後どのくらいで進んでいくのか。これについてキュウ氏は、「全世界でセルラーに接続されるIoTデバイスは、2020年までに30億個に上るとみられている。そのうち70%、つまり21億個がLPWAネットワーク(NB-IoTに限らず)に接続されるようになると考えている」との見解を述べた。

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