ASMLは、2016年11月に発表した第2世代のEUVスキャナーについても、今回初めて詳細を明らかにした。Carl Zeissとの共同開発により、アップグレード済みの光学部品を搭載した装置だ。寸法は3400の約2倍だが、3400で製造した場合に比べて40%の微細化を実現するという。
今回の新型スキャナーの中心となるのが、Carl Zeissの新しい光学部品だ。光源など他のコンポーネントは、今後徐々にアップグレードする予定だという。
Carl Zeissは既に、一部のコンポーネントを発注し、人間くらいのサイズの光モジュール向けに新しい研磨機を製作しているという。今回初めて、真空チャンバー内部に、新しい検査装置が2つ必要になるようだ。
新型装置は、16.5×26mmの磁場を2つ、一度に露光することが可能だという点で、3400とは異なる。x軸、y軸で、それぞれ異なる倍率を使用するためだ。3400の2倍の加速度で装置のウエハー上を、4倍の加速度でマスク上を移動することにより、スループット目標を達成するという。
装置のフォーカス精度は30nmで、3400Bの半分程度となる。実用化の際には、1時間当たり180枚以上のウエハー処理能力と、22〜14nmのピッチを実現する予定だ。
GLOBALFOUNDRIESは、米国ニューヨーク州マルタの自社工場で、ASMLの「NXT:1970Ci」および「NXE:3300B」スキャナーを使用し、2週間でウエハー20枚のロットを5つ処理した作業について説明している。さまざまな種類の液浸ツールを使用した場合に匹敵するクロスプラットフォーム性能を実現したという。ただし、修正技術に関しては一部、限界があることが判明したとしている。
それでも同社は、「EUVが、7nmプロセスチップの量産において、特定のレイヤーに適用される可能性は非常に高い」と主張する。同社は2016年9月の時点で、7nmプロセスへのアップグレードを2018年に行う予定だと発表していたが、今回は、2020年ごろになる見込みだと述べている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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