さて、今回、この「非正規労働」やら「能力」やらを、力づくで数値に置き換えて、シミュレーションをやってみました。
このシミュレーションでは、「非正規社員」が、どのような機能を果しているかを、視覚化することを目的とするものですので、あまり細かいことは気にしないようにしてください。
さて、ここで採用する労働力の単位ですが、『まあ、給与というのは、基本的に労働対価に支払われるんだろう』という、経済分野のド素人らしい考え方で、単純に給与の統計データから算出しました*)。
*)もしかしたら「え、私って、新人2人分くらいしか役に立っていないの?」とショックを受けている人もいるかもしれませんが、実際のところ、新人は教育コストが必要で、労働力どころか負債になっているという面もありますので、あまり真面目に考えないようにしてください。
さて、上記の2つのシミュレーション(ソースコードのサンプルはこちら)の結果を示します。
(バーチャル)株式会社 エバタは、いーかげんな会社でして、経営予測など全くしない場当たり的な経営をしている会社です(まったく、社長の顔が見たいものです)
もうかっていれば、どんどん非正規社員を雇用し、一度赤字になれば、非正規社員の事情も考えず、一気に解雇してしまいます。そのくせ、正規社員の雇用だけは、しっかりと守り続けるという、労使がもろに癒着している、典型的な日本の中小企業の1つです。
さて、この2つのシミュレーションの結果、「非正規社員」を使う、使わないでは、どちらが会社としてもうかるかは、火を見るよりも明らかです。
「株式会社エバタ」はわずか20年で、4倍を超える自己資産を獲得できています。
これは、会社の都合で社員を増減できる、いわゆる「調整弁」として、非正規社員を便利に使っているからです。さらに、正規社員もきちんと採用を続けることで、会社の潜在的労働力を一定数確保し続けることができるという、メリットもあります。
つまり、
非正規社員は、会社と正規社員を守るために、都合よく使われている
という実体が、この程度の単純なシミュレーションでも、数値で簡単に示せるのです。
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