「ISSCC 2018」最終日午前の講演から、セッション19と20を紹介する。シリコン面積が0.00021平方mmと極めて小さな温度センサーや、3D(3次元) NANDフラッシュメモリの大容量化および高密度化についての論文が発表される。
2018年(今年)2月に米国サンフランシスコで開催予定の国際学会「ISSCC 2018」の概要を、シリーズでお届けしている。前回は、メインイベントである技術講演セッションの最終日午前(現地時間で2月14日水曜日午前8時30分開始予定)から、セッション18(適応型デジタル電源)のハイライトをお届けした。今回は、同じ最終日午前のハイライトを続けてご紹介する。
繰り返しになるが、最終日の午前にはセッション18〜セッション25の8本のセッションが予定されている。その中でセッション20〜セッション25の5本はハーフセッションである。全体としては5本のセッションが同時並行で進行する。
セッション名は番号順に、「適応型デジタル電源」(セッション18)、「センサーとインタフェース」(セッション19)、「フラッシュメモリ」(セッション20)、「機能と用途を拡張したシリコン」(セッション21)、「GHz級のデータ変換器」(セッション22)、「局所発振器」(セッション23)、「窒化ガリウム用のドライバとコンバーター」(セッション24)、「高速リンク向けのクロック発生」(セッション25)となっている。
セッション19の「センサーとインタフェース」では、高精度な温度センサーや低消費電力の電流センサーなどの研究成果が登場する。
Intelは、nMOSFETのサブスレッショルド温度特性とpnp寄生バイポーラの温度特性の両方を利用した、ハイブリッド形の温度センサーを発表する(講演番号19.1)。シリコン面積が0.00021mm2(正方形と仮定すると14.5μm角)と極めて小さい。測定精度は±1.05℃。分解能の性能指数(FoM)は0.54nJ×(Kの2乗)である。製造技術は22nm FinFETプロセス。
オランダのDelft University of Technologyは、−55℃から+125℃と広い温度範囲で、測定精度が0.12℃と高い、抵抗ベースの温度センサーを開発した(講演番号19.2)。分解能のFoMは32fJ×(Kの2乗)。シリコン面積は0.25mm2である。
Delft University of Technologyはさらに、室温で±4Aと広い電流範囲をカバーし、利得誤差が0.05%の電流センサーを報告する(講演番号19.4)。測定分解能のRMS値は150μA、変換時間は2ms、消費電流は10.9μAである。測定のエネルギー効率は従来の電流センサーに比べると約10倍、高いとする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.