Broadcomが、Qualcommへの買収提案を1株当たり70米ドルから、82米ドルに引き上げた。Broadcomはこれを「最終かつ最善の提案」としている。これにより、買収総額は約13兆〜16兆円規模になる可能性があるという。
Broadcomは2018年2月5日(米国時間)、買収提案を行っているQualcommに対し、提案金額をさらに引き上げたことを明らかにした。これまでは1株当たり70米ドルで提案していたが、これを1株当たり82米ドル(60米ドルの現金+22米ドルの株式)に引き上げている。Reuters(ロイター通信)やWashington Post、Financial Timesなど米国の複数の報道機関によれば、これによって買収総額は1210億〜1500億米ドル(約13兆〜16兆円)になる可能性もあるという。
2017年11月にBroadcomがQualcommに買収を持ちかけていると報道された際、Qualcommは「1株当たり70米ドルは、当社の価値が大幅に過小評価されることになる」として、即座に拒否した。だが今回の引き上げを受け、Qualcommは同日、Broadcommの提案を取締役会で協議することを発表した。
Broadcomは今回の提案を「最善かつ最終の提案」としており、一方のQualcommは「当社および当社の株主にとって、最善の結果となるよう提案内容を協議する」とプレスリリースでコメントしている。
Broadcomの最終提案では、Qualcommが、NXP Semiconductorsの買収を現行の1株当たり110米ドルで完了することか、NXPの買収から手を引くことが条件になっている。QualcommのNXP買収については、長く調査中だったEUの承認が下り、あとは中国の承認を待っている状態だ。
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