2017年12月に、「5G(第5世代移動通信) NR(New Radio)」の標準仕様の初版が策定された。シャープはこれを受け、5G NRに適合する同社の特許ファミリー495件を選定し、FRAND条件(公正、合理的かつ平等な条件)で利用を許諾することを表明している。
シャープは2018年3月30日、「5G(第5世代移動通信) NR(New Radio)」の標準仕様の初版に適合する規格必須特許ファミリー495件について、公正、合理的かつ平等な条件(いわゆるFRAND条件)で利用を許諾することを表明し、同表明がETSI(欧州電気通信標準化機構)の公式サイトに掲載されたと発表した。規格必須特許とは、標準化された技術を実施する際に、必ず使用しなければならない特許を指す。
5G NRは、2017年12月に標準仕様の初版が策定されたばかりである。このためシャープは、この初版に適合する同社の特許をすぐに選定。2018年2月には、選択した495件をFRAND条件において利用することを許諾すると宣言した。そして今回、その証として、ETSIの公式サイトに同宣言が掲載されたのである(以下、このような特許ファミリーを「ETSI宣言を行った特許ファミリー」とする)
シャープによれば、今回宣言した495件には、4G(第4世代移動通信)と5Gを同時に接続する技術、ビームフォーミング関連の技術、データ送信の際のタイムスロットをフレキシブルに変更できる技術などに関する特許が含まれているという。なお、現時点では495件だが、リリース15、リリース16など、5Gの規格策定が進むに従い、この件数も増えていく可能性があるとする。
シャープは4Gについても、ETSI宣言の特許ファミリーを615件所有している。4G向けにETSI宣言された特許ファミリー全体でみると約4%のシェアを持っており、世界第8位(日本では第1位)となっている。なお、この615件と、5G向けに宣言した495件には、重複するものもある。
シャープの調査によると、2018年3月23日の時点で、5G向けにETSI宣言された特許ファミリーのシェアは、Ericssonが1127件で第1位、Huawei Technologiesが1029件で2位につき、シャープが第3位、Intelが455件で第4位となっている。
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