IC上にコイルを実装できる新構造パッケージを出荷 : トレックス
トレックス・セミコンダクターは2018年8月1日、DC-DCコンバーターなどのICパッケージ上にコイルを実装できる新構造パッケージ「クールポストタイプパッケージ/DFN3030-10B」の出荷を開始したと発表した。今後、月間175万個の出荷を見込んでいるという。
トレックス・セミコンダクターは2018年8月1日、DC-DCコンバーターなどのICパッケージ上にコイルを実装できる新構造パッケージ「クールポストタイプパッケージ/DFN3030-10B」の出荷を開始したと発表した。今後、月間175万個の出荷を見込んでいるという。
トレックスは、DC-DCコンバーターとコイルを一体化した製品シリーズ「“micro DC/DC”コンバータ」を展開。これまで、“micro DC/DC”コンバータには、ICダイ上にコイルを実装し樹脂封止する積層タイプや、樹脂封止済みのICパッケージに逆凹型のコイルをかぶせたポケットコイルタイプといったさまざまな構造の製品をラインアップしてきた。
加藤電器製作所で2018年7月27日に行われた「クールポストタイプパッケージ」の初出荷式の様子 (写真提供:トレックス・セミコンダクター)
今回、出荷を開始したクールポストタイプパッケージは、新構造の“micro DC/DC”コンバータの実現に向けて、加藤電器製作所と共同で開発したパッケージ。その構造は、通常のICパッケージに、「クールポスト」と呼ぶパッケージを貫通する銅の電極端子をICダイを挟む形で2つ設けた構造になっている。パッケージの上面に露出する銅電極端子上に表面実装型コイルを実装でき、ICパッケージとコイルを一体化できるようになっている。
新パッケージ「クールポストタイプパッケージ/DFN3030-10B」の構造イメージ 出典:トレックス・セミコンダクター
トレックスによると、パッケージ上のコイルは、クールポストを介して熱を効率よくプリント配線板(PCB)に逃がすことができるとする。また、積層タイプのコイルだけでなく、巻き線タイプの比較的大きなコイルもICと一体化できるため、より高耐圧、大電流対応の“micro DC/DC”コンバータが実現できるとしている。
“micro DC/DC”コンバータ「XCL225/XCL226シリーズ」の外観 (クリックで拡大)
トレックスではクールポストタイプパッケージをまず“micro DC/DC”コンバータ「XCL225/XCL226シリーズ」に展開する。XCL225/XCL226シリーズは、入力電圧18Vに対応したコイル一体型降圧DC-DCコンバーターで、出力電流は最大0.5A。12V入力、5V/1mA出力時の効率は85%となっていて、冷蔵庫やエアコンといった白物家電での採用を見込んでいるという。サンプル価格は1個200円(税別)。
欧州車載市場に切り込むトレックスの勝算
ドイツ・ミュンヘンで開催されたエレクトロニクス関連の展示会「electronica 2016」(2016年11月8〜11日)に出展したトレックス・セミコンダクター。同社は今後、欧州において車載市場に大きく舵を切っていく。だが車載は、“新参者”が簡単に入っていける市場ではない。トレックスの英国法人Torex Semiconductor EuropeでManaging Directorを務めるGareth Henson氏に、その勝算を聞いた。
電源モジュールを小型、高効率化するパッケージ技術
太陽誘電は「TECHNO-FRONTIER 2018(テクノフロンティア)」(2018年4月18〜20日、幕張メッセ)で、パッケージ技術「Power Overlay(POL)」を紹介した。
大電流に対応、高放熱・低EMIな高効率電源モジュール
ザインエレクトロニクスは、機械学習などに用いられる高性能プロセッサやFPGAの電源用途に適した高効率電源モジュールを発表した。高い放熱性と低EMI(電磁妨害)を実現している。
超低ノイズの6.25mm角サイズ電源モジュール
Analog Devices(アナログ・デバイセズ)は2017年10月2日、電源ICとともにインダクターやコンデンサーなど受動素子をパッケージに封止した電源モジュール製品群「μModuleレギュレーター」の新製品として超低ノイズ、小型を特長とする「LTM8065」を発売した。
1μWでも昇圧できる、AKMの環境発電用DC-DCコン
旭化成エレクトロニクス(AKM)は2018年7月、環境発電(エネルギーハーベスティング)向けの昇圧DC-DCコンバーター「AP4470」を開発したと発表した。同製品は、超低消費電流動作が特長で、わずか1μWの電力でも昇圧を行うことができるとする。
降圧にIC1つ追加するだけの高速応答昇降圧技術
ロームは2018年5月22日、「世界最高クラスの高速応答性」(ローム)を実現するという昇降圧コンバーター技術「Quick Buck Booster」を発表した。2018年夏には、本技術を用いて、自動車向け電源ICのサンプル出荷を開始する予定だ。
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