低温プラズマを発生する素子「CeraPlas(セラプラス) HF」を使った製品も展示した。CeraPlas HFはelectronica期間中の11月13日に発表されたもので、大気圧下でさまざまなガスをイオン化できる。47.3×20×20mmと小型で消費電力も低いので、電池駆動のプラズマ処理器などの開発に適しているとする。樹脂の表面改質や、器具や食品の殺菌、脱臭など多くの用途がある。「地震などの災害が起こった時に、停電により医療機器の消毒ができないという課題がある。CeraPlas HFによってこうした課題を解決できる可能性がある」(TDK)
触覚フィードバック機能とセンサー機能を統合したアクチュエーター「PowerHap」のシリーズも展示した。0〜120Vの電圧の波形を印加することで振動する。波形の周波数を変えることで振動パターンを変えることができる。加速度は2.5〜35g。「自動車のパネルなどでは、どこを触ったのかが分かるようにしたいという要望がある。PowerHapは、同じ素子でセンサーとアクチュエーターの両方の機能を果たすので、部品点数が少なくて済むという利点がある」(TDK)
この他、「CEATEC JAPAN 2018」(2018年10月16〜19日、千葉市・幕張メッセ)でも展示した、全固体電池「CeraCharge」も紹介した(関連記事:全固体電池を用いた環境発電を提案 TDK)。CeraChargeは、チップ形状をしたオールセラミックの全固体電池。焼成済みなので、爆発や液体の漏れがなく安全性が高い。2019年度第1四半期に量産を開始する製品だ。electronicaでは、小型のソーラーパネルとCeraChargeを搭載した電卓を使い、環境発電で駆動させるデモを紹介した。
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