Intelの創業7年目となる1974年を取り上げる。この年にIntelが発売した8ビットマイクロプロセッサ「8080」は、初期のパソコンを生み出すことになる、歴史歴な半導体製品だった。
Intelの公式文書である「年次報告書(アニュアルレポート)」をベースに、Intelの創業期の活動を創業年(1968年)から1年ずつ記述する連載の第11回である。前々回から、創業7年目である1974年の状況を紹介してきた。前々回は業績(決算概要)を、前回は半導体メモリ事業の状況をご報告した。今回は、マイクロプロセッサ事業の活動を主にご紹介する。
1974年の「年次報告書(アニュアルレポート)」でIntelは、マイクロプロセッサの新製品の中から、3つの品種を挙げていた。最初は、同社にとって「第2世代」に相当する最初のマイクロプロセッサ「8080」である。1974年4月に発売した。ここで「第1世代」とは、1971年に開発した世界最初のマイクロプロセッサ「4004」と、続いて開発したマイクロプロセッサ「8008」のことだと思われる。
「第2世代」の「8080」は最初の本格的な汎用マイクロプロセッサである。クロック周期を2マイクロ秒(クロック周波数は500kHz)と短くすることで高速化した。演算性能は0.29MIPSと前世代の10倍以上に達したとする。この8ビット・マイクロプロセッサ「8080」は、初期のパーソナル・コンピュータ(パソコン)を生み出すことになる、歴史的な半導体製品でもある。
次に、バイポーラ技術による高速のマイクロプロセッサのセットを「年次報告書(アニュアルレポート)」では紹介していた。ミニコンに匹敵する性能を備えるという。1974年8月に発表した。年次報告書には製品名が記載されていないが、「3000ファミリー」のことで間違いないだろう。
3番目に紹介したのは、これも第2世代のマイクロプロセッサである。1974年12月に発売した。このプロセッサによって最もシンプルなマイクロコンピュータを構築できるとした。この製品も年次報告書には製品名を記載していない。状況的には、4ビット・マイクロプロセッサ「4040」のことだと思われる。
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