東芝は2019年2月13日、2019年3月期(2018年度)第3四半期(2018年4〜12月累計)決算と2019年3月期通期業績予想の修正を発表した。
東芝は2019年2月13日、2019年3月期(2018年度)第3四半期(2018年4〜12月累計)決算を発表した。売上高は、デバイス/ストレージ事業、インフラシステム事業で増収となったが、エネルギーシステム事業での減収が響き前年同期比5.5%の減収になる2兆6472億円だった。営業利益は、インダストリアルICT事業を除き減益、悪化となったことに加え、子会社ニューフレアテクノロジー(NFT)ののれん減損を計上するなどしたため、前年同期から473億円悪化し82億円となった。純損益についてはメモリ事業の売却益を計上しており、前年同期に比べ9946億円増の1兆216億円になっている。
デバイス/ストレージ事業部門の第3四半期累計業績は、売上高6909億円(前年同期比5%増)、営業利益126億円(前年同期比363億円減)で、増収減益となった。うち、半導体事業は、車載向けパワー半導体が好調だったものの、中国市場、データセンター市場の減速やシステムLSI事業での不採算製品絞り込みの影響で、売上高2667億円(前年同期比3%減)、営業利益38億円(同226億円減)の減収減益となった。HDDなどストレージ事業は、企業向けHDDが好調で売上高4242億円(同10%増)と増収だったが、売価下落の影響などにより営業利益は88億円(同137億円減)と減少した。
営業外損益として計上する東芝メモリ持分法損益(東芝の持ち分比率は40.2%)の第3四半期3カ月間実績は377億円の損失となった。実質的な損益は186億円の利益だったが、PPA(取得価額配分)完了による費用計上で563億円の損失が発生しため、差し引き377億円の損失になったという。なお、東芝メモリの第3四半期におけるビット成長率は前四半期比10%台前半の増加、平均販売価格(ASP)は前四半期比20%台半ばの下落。第4四半期についても一層の価格下落が見込まれ、東芝の東芝メモリ持分法損益は第4四半期は125億円の損失になる見込み。ただ、東芝代表執行役専務の平田政善氏は「データセンターの需要は(中長期的には)旺盛だと思っている。一時的に(東芝メモリの業績が)悪くなっても、40%の持ち分を手放すといった検討はしていない」とした。
東芝は、2019年3月期第3四半期の決算発表と合わせて、2019年3月期通期業績予想の修正を公表。売上高予想はHDDの販売増などにより前回予想(=2018年11月公表)よりも200億円多い3兆6200億円に上方修正したが、エネルギーシステム事業での追加コスト引き当てなどの要因で営業利益予想は前回予想から400億円引き下げ、200億円とした。また純損益予想についても、東芝メモリ持分法損益の悪化などにより、前回予想から500億円引き下げ8700億円に下方修正した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.