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次世代メモリの発案から製品化まで:「オープン」モードの研究開発福田昭のストレージ通信(142) 半導体メモリの技術動向を総ざらい(5)(2/2 ページ)

» 2019年04月19日 10時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]
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前半はコンセプトの考案と確認からセルアレイの評価まで

 新しいメモリ技術を考案して研究開発を始めたとしよう。最初にすべきことは、コンセプトを基にした動作理論の構築と提案である。そして動作理論を検証するためにメモリセルあるいは検証用の物理構造を試作する。ここまででおおよそ12カ月(1年)を要する。

研究開発の前半における道のり。「オープン」モードで研究開発を進めることが多い。出典:MKW Venture Consulting, LLC(クリックで拡大)

 次に、複数のメモリセルを試作し、評価し、分析する。こうして新しいメモリが本当に動作するかどうかを確かめる。ここまでで約24カ月(2年)を要する。

 それから、小規模なメモリセルアレイを試作する。メモリセルアレイの容量は64Kビット〜1Mビットである。読み出し動作や書き込み動作、信頼性、書き換え寿命などのテストを実施する。ここまでで約36カ月(3年)を要する。

 そしてメモリセルアレイの動作速度、不良モード、書き込みアルゴリズム、セルアレイ断面を電子顕微鏡で観察した画像などを開発レポートとしてまとめる。ここまでで約48カ月(4年)を要する。

次回に続く

⇒「福田昭のストレージ通信」連載バックナンバー一覧

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