同社は、高級感やオーナーシップを感じさせるようなコックピット、インテリアデザイン、運転操作システムなどの領域の製品群を、「Premium HMI(Human Machine Interface)」製品とし、その拡充に注力している。同社の広報担当は、「単なるHMIではなく、高い付加価値をつけることで、快適なドライビングを提供できるような技術を開発していく」としている。
今回展示されていた、車載向けタッチインプットモジュールもその1つだ。インフォテインメントシステム操作用のタッチパネルは、旧アルプス電気の高感度の静電検出技術によって、手袋をつけたままでも指先の動きが検出できる。また、非接触での検知もでき、ディスプレイの前で手を払う動きなどのジェスチャーでの操作も可能になっている。さらに、「フォースフィードバック機能」によって、人工的に触感を創り出しているのも特長だ。
ディスプレイのGUI(Graphical User Interface)は旧アルパインが手掛けている。タッチインプットモジュールには、「自動運転」と「マニュアル運転」の2つのモードがあり、自動運転モードの場合は、大型のディスプレイ全面を使って、カーナビやエンターテインメント、車内温度などの情報を表示する。マニュアル運転モードに変更すると、ディスプレイを4分の3ほど収納したうえで、時計や温度など必要最低限の情報を表示できるようになっている。
さらに、高感度静電検出技術と「熱転写加飾印刷」を掛け合わせたソリューションの展示も行われていた。
熱転写加飾印刷技術は、薄膜インクを高精度で多層積層することで、リアルな肌触りを再現できるという、同社独自の技術だ。ここに、ステルス印刷や高感度静電センサーを組み合わせたことで、まるで本物の木や金属のような見た目、質感でありながら、手を近づけると各種アイコンが浮かび上がる、入力デバイスを実現している。
こうしたステルス印刷や静電センサ対応、隠蔽性、透過性、メタリック印刷などは、この技術を搭載したプリンタ1台で全て完結できるという。広報担当者は、「実際の木材などの場合は、静電センサーの搭載が難しいが、熱転写印刷技術によってリアルに再現できる。このソリューションによって、車室内のデザイン性を保ったまま、車室内のあらゆるものを、入力デバイスとして活用できる」と説明した。
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