2つ目の理由として、起業家に対する社会的評価が日本では、まだまだ低いという事実が挙げられる。欧米先進国と比べると、起業を選択すること、そして起業家の社会的地位に対する評価という点で、日本は劣っているといえる(図4)。このため日本では、上記のようなリスクを冒してまで起業する、という意欲がそがれてしまうのもうなずける。
3つ目の理由は、ベンチャーを起業する機会を認識している人、そして、起業するだけの能力が自分にあると思っている人が少ないという点だ。これも欧米諸国と比べると日本は極端に少ない(図5)。
4つ目として、これも本人の問題だが、「新しいことをやってやろう」という意欲が少ないのではないか。何とか食べていける収入があり、やりがいやプライベートの面で現状に満足しているので、わざわざ起業なんて考えない、というわけだ(図6)。
こうしたデータから分かるように、日本は、起業意欲を“あおる”よりも、”削ぐ”ような環境になっているのである。
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