中国の梱包材料会社であるBSNは、日用消費財、オンライン販売品、医薬品の偽造に対抗すべく、フレキシブルエレクトロニクスを手掛けるPragmatICのRFID用ICを、新たな印刷工場に導入する計画だ。
中国の梱包材料会社であるBSNは、日用消費財、オンライン販売品、医薬品の偽造に対抗すべく、フレキシブルエレクトロニクスを手掛けるPragmatICのRFID用ICを、新たな印刷工場に導入する計画だ。BSNは、靴、アパレル、バッグ、家具、化粧品、アクセサリー用の梱包材料の主要サプライヤーである中国Baoshen Groupの傘下にある企業で、年間70億枚の印刷物と10億個のRFIDラベルを製造している。
BSNが新たな印刷ラインで導入するのは、PragmatICの「ConnectIC」ファミリーである。2019年初めにリリースされたConnectICは、スマートパッケージング向けに、HF帯を用いたRFID用ICだ。ターゲット市場としては、食品、飲料、パーソナルケア、ホームケア、医薬品、ヘルスケアなどがある。
薄くて柔軟性があるRFID素子は、プラスチックや紙を含め、幅広い基板に組み込むことに適している。PragmatICによれば、RFID素子はラベルやパッケージに取り付けられると、反応しにくくなってしまうという。環境発電(エネルギーハーべスティング)を統合し、シングルアンテナと組み合わせることで、全体的なシステムコストを最低限に抑える設計が可能になると、同社は主張する。
英国ケンブリッジに本社を置くPragmatICは、「安価なフレキシブルICの登場によって、ワイヤレス通信機能の追加は、もはや高級品に限られたものではなくなった」と述べている。PragmatICはフレキシブルICの技術を通じて、大量生産の日用消費財やその他のマスマーケット向けアプリケーションに、トレーサビリティなどのスマートな機能を付加できると主張した。
安価なRFIDリーダーが1個以上、システムに統合されていれば、ConnectICは素早く物体を検知できる。在庫管理の他、商品の特定や追跡、サプライチェーン保証、ブランド認証といった用途に向けるという。PragmatICのCEOであるScott White氏は「ConnectICファミリーは、われわれが日常的に購入する商品に接続性をもたらすことになるだろう」と述べた。
BSNでRFIDコンサルタントを務めるPhilip Calderbank氏は「実店舗とオンラインの両方で、偽造品からブランドと顧客を守る技術に対する需要が、アジア各国の市場で急速に高まっている。PragmatICの低コストな技術によって、既存のエレクトロニクスで実現するよりも一層幅広い市場セグメントに向けて製品を提供できるようになる」と述べた。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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