GLOBALFOUNDRIES(GF)は、TSMCが使用する16種のGF製半導体デバイスならびに製造技術の特許が侵害されたとして、20社の大手企業に対し、米国とドイツで25件の訴訟を起こした。
GLOBALFOUNDRIES(以下、GF)は、台湾TSMCが使用する16種のGF製半導体デバイスならびに製造技術の特許が侵害されたとして、20社の大手企業に対し、米国とドイツで25件の訴訟を起こした。
訴訟を起こす中でGFは、TSMCが侵害した特許技術を用いて製造した半導体が、米国やドイツに輸入されるのを阻止できるような命令を求めている。GFは訴状の中で、TSMCの特定の主要顧客や川下(ダウンストリーム)のエレクトロニクス企業の名を挙げた。大半の場合、そうしたエレクトロニクス企業は、侵害技術が用いられたTSMC製品を実際に輸入している。また、GFは、TSMCがGFの特許技術を違法に使用して、数百億米ドルもの売り上げを得ていた事実に基づき、TSMCから巨額の損害賠償を求めている。
今回の訴訟は、TSMC(同社の7nm、10nm、12nm、28nmプロセス技術)に加え、チップ設計を手掛けるファブレス企業、電子部品のディストリビューター、民生機器メーカーなど、20社に対して起こされた。こうした訴訟対象企業には、Apple、ASUS、Broadcom、Cisco Systems、Google、HiSense、Lenovo、MediaTek、Motorola、NVIDIA、Qualcomm、Xilinxが含まれている。ディストリビューターとしては、Avnet/EBV、Digi-key、Mouserの名が挙がっている。
GFでエンジニアリングおよび技術担当シニアバイスプレジデントを務めるGregg Bartlett氏は、「半導体の製造拠点がアジアにシフトし続ける中、GFは欧米の半導体産業に多額の投資をすることで、そのようなトレンドに対抗してきた。当社は過去10年で米国に150億米ドル以上も投資した他、欧州最大の半導体製造施設に60億米ドル以上を投じてきた。今回の訴訟の目的は、そうした投資と、欧米にとって活力となる、両地域から発信するイノベーションを守ることである」と述べた。
Bartlett氏は、GFが国内での研究開発に数十億米ドルを投じてきた一方、TSMCはそのような投資の恩恵を違法に得てきたと主張した。同氏は「今回の訴訟は、TSMCが当社にとって不可欠な資産を違法に利用することを阻止し、欧米の製造拠点を保護する上で、極めて重要である」と述べた。
今回の訴訟は、米国の国際貿易委員会(ITC)、デラウェア州とテキサス州西部地区にある連邦地方裁判所の他、ドイツ・デュッセルドルフとマンハイムの地方裁判所で提起された。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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