最大2年のログが可能なワイヤレス温湿度センサー:ET2016レポート
ユニ電子とステップワンは、「Embedded Technology 2016(ET 2016)」「IoT Technology 2016」(2016年11月16〜18日/パシフィコ横浜)で、ワイヤレス温湿度センサーを展示した。
ユニ電子とステップワンは、2016年11月16〜18日にパシフィコ横浜で開催された「Embedded Technology 2016(ET 2016)」「IoT Technology 2016」で、共同開発したワイヤレス温湿度センサー「Logtta(ログッタ)シリーズ」を展示した。
Logttaシリーズは、Sensirionの温湿度センサー「SHT20」が搭載され、Bluetooth Low Energyによる通信で、iOSの端末からリアルタイムに温湿度を監視できる。ステップワンの製品により、ゲートウェイとクラウドを用いた遠隔モニタリングも可能になる。
また、512Kビットのメモリが搭載されており、データのログを記録することが可能。ログ間隔が1時間であれば、最大2年間の駆動ができるという。温湿度の他にもCO2センサー、液体温度などを記録できるセンサーを用意している。ユニ電子のマーケティング部で担当部長を務める森尻英男氏は、「温湿度センサーはIoT市場に向けた製品として、物流状況や倉庫、住宅、工場の管理に役立つ。CO2センサーは、人が集まる空間の換気状況を“見える化”できるため、換気状況や密集空間の監視に良いだろう」と語る。
ワイヤレス温湿度センサー「Logttaシリーズ」 (クリックで拡大)
左=NDIR式CO2センサー。測定範囲は0〜1万ppmで、精度は±30ppmとなっている。動作温度範囲は、−10〜60℃である/右=リアルタイムに計測結果を閲覧できる。厚生労働省の建築物環境衛生管理基準では、二酸化炭素の含有率は1000ppm以下が推奨されている。パシフィコ横浜内は展示会で人が大勢いるためか、1500ppmを超えている。つまり、空気環境が悪いようだ (クリックで拡大)
温湿度センサーの最大測定範囲は、温度:−20〜60℃/湿度:0〜100%RHとなっている。サイズは44×22×12mmで、電池を含んだ重さは11gである。価格は、1万4500円(税別)。IP64相当の防滴仕様タイプと、FPCタイプもそろえている。森尻氏は、「加速度や振動、照度、気圧、PM2.5などのセンサーも今後開発していく」とした。
Logttaシリーズは、ET2016出展物を対象にした表彰「ET/IoT Technologyアワード」において、新規出展社、中小・中堅企業部門表彰に相当する「JASA(組込みシステム技術協会)特別賞」を受賞した。
JASAは、「小型軽量、スマートフォンで監視でき、データロガーは農業分野のニーズも高くCO2濃度測定などのバリエーションも準備している。2社がアライアンスを組むことにより、IoT製品への参入ができることを示す好例として評価するとともに、今後のさらなる市場展開に期待して、JASA特別賞とした」とコメントしている。
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