新製品「KPMC29(KP-2 Two-tone PD)」で特に注目すべきは、表面実装型であることと、高さが1.1mmしかないことだ。モバイル機器やウェアラブル機器などの容積が限られた電子機器にも、組み込みやすい。
高さを1.1mmと低くできたのは、Si PDダイの裏面にへこみを形成し、そのへこみにInGaAs PDダイが納まるような構造を開発したからだ。半導体部分の厚みは、実質的にSiダイだけになる。Siダイ全体を樹脂でモールドしても、パッケージ基板を含めた厚みは1.1mmで済む。パッケージ基板の厚みは0.5mmなので、PDとモールド樹脂の厚みは合計で0.6mmしかない。
開発した赤外線フォトダイオード「KPMC29(KP-2 Two-tone PD)」の構造図。黄色い矢印は光の入射方向。1100nmよりも短い波長の光をSi PDは吸収し、それより長い波長の光はSi PDダイを透過してInGaAs PDに入射する。出典:京都セミコンダクター(クリックで拡大)以下は製造工程を簡単に説明しよう。Siダイの裏面にまず、へこみを作る。それからSiダイの表面にpin接合を不純物拡散によって形成し、フォトダイオード(PD)とする。並行してInGaAsダイにpin接合を不純物拡散によって形成し、フォトダイオードとする。
そしてパッケージ基板にInGaAs PDダイをマウントし、ワイヤボンディングによって外部電極と電気的に接続する。次にSi PDダイをマウントする。ここで留意すべきなのは、Si PDダイ裏面のへこみはInGaAs PDダイだけでなく、追加されたボンディングワイヤも収容していることだ。へこみの形状設計とボンディングワイヤの形状設計が重要であることが分かる。
Si PDダイをマウントした後は、ワイヤボンディングでSi PDダイとパッケージ基板の外部電極を接続する。それからモールド樹脂によって全体を封止する。
開発した赤外線フォトダイオード(PD)の組み立て模式図。パッケージ基板の上にInGaAs PDダイを載せ、その上にSi PDダイをかぶせる。さらに、モールド樹脂で封止する。出典:京都セミコンダクター(クリックで拡大)⇒「福田昭のデバイス通信」連載バックナンバー一覧
京都セミコンダクター、高さがわずか1.1mmで波長範囲の広い赤外線フォトダイオードを製品化
シリコンフォトニクスの光検出器
電気通信と光通信の境界
情報社会の大いなる“裏方”、光伝送技術
2019年のアナログIC売上高、上位9社が前年比減にCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
記事ランキング