東京エレクトロン デバイス(TED)は、化合物半導体ウエハー表面の欠陥を高速かつ高い精度で検出できるマクロ検査装置「RAYSENS」(レイセンス)の販売を始めた。
東京エレクトロン デバイス(TED)は2020年6月、化合物半導体ウエハー表面の欠陥を高速かつ高い精度で検出できるマクロ検査装置「RAYSENS」(レイセンス)を開発し、販売を始めた。
化合物半導体は、5G(第5世代移動通信)システムや自動運転車/電気自動車などにおける基幹デバイスとして注目されており、今後は大きな需要が見込まれている。一方で、半導体デバイスの微細化や高機能化が進み、ウエハー表面にできた微小なキズなどの欠陥がICチップの歩留まりや性能、信頼性に影響を及ぼすことがある。このため、ウエハー表面の欠陥検査は極めて重要となっている。ところが、ウエハーが半透明の化合物半導体は対応できる検査装置が限られ、多くは目視検査など人手に頼っているのが現状である。
RAYSENSは、ノイズが極めて低いマクロ光学センサーと専用照明による光学系の構成を、被測定物に合わせて最適化した。これにより、透明あるいは半透明の化合物半導体ウエハーから、非透明のシリコンウエハーまで幅広く対応することができ、ウエハー表面の微小な変化を高い感度で捉えることが可能となった。ベアウエハーだけでなくパターン付きウエハーにも対応できるという。
また、独自の検出アルゴリズムを搭載しており、高速かつ高い精度での欠陥検出が可能となった。搬送部はウエハーのカセット取り出しから検査、格納までウエハー表裏面を非接触で行う。これにより、ウエハーへの異物付着を防いだ。ウエハー表面の欠陥検査を自動化できたことで、検査工数の削減とウエハーの品質安定化を実現できるとみている。
TEDは、RAYSENSの導入を検討している顧客に対し、ワーク評価サービスを提供する。これにより顧客は、実際のワークサンプル品を用いて、撮像画像や欠陥検出の結果を簡易的に確認することが可能である。
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