富士通の2020年度第1四半期は、売上高8027億円(前年同期比359億円減)、営業利益222億円(同188億円増)、当期利益181億円(同110億円増)だった。
テクノロジーソリューション部門のサービスは減収ながら微減益、製造、流通、ヘルスケアを中心にコロナの影響で需要減があったが、ソフトウェア増などで採算性が改善した。同部門のシステムプラットフォームは増収増益、メインフレームの商談増加、スパコン富岳の出荷、5G基地局の所要増などが要因だった。同部門の海外リージョンは減収減益、欧州の不採算国や北米プロダクトビジネスからの撤退が主要因だった。ユビキタスソリューション部門は減収ながら微増益、前年度のWindows7サポート終了に伴うPC需要増に伴う反動減があったが、プロダクトミックスなどで収益が改善した。デバイスソリューション部門は減収増益、三重工場売却に伴う売上減があったが、電子部品の採算性向上が増益に貢献した。
2020年度の会社計画は、売上高3兆6100億円(前年比2477億円減)、営業利益2120億円(同5億円増)、当期利益1600億円(前年と同じ)としており、NECと同様コロナの影響は全体的に軽微と思われる。第1四半期ですでに収益の改善実績が現れている点はNECより高く評価できるが、海外での実績が伸び悩んでいる点が気掛かりである。
パナソニックの2020年度第1四半期は、売上高1兆3919億円(前年同期比4992億円減)、営業利益38億円(同526億円減)、当期損失98億円(同596億円減)だった。
アプライアンス部門は減収減益、中国や日本の一部で回復基調だったが、コロナの影響を大きく受けた。ライフソリューションズ部門も減収減益、ロックダウンによる工場稼働停止も影響した。コネクティッドソリューションズ部門は減収大幅減益、航空機運航減少でアビオニクスの需要が落ち込んだ。プロセスオートメーションやアビオニクスが減収となり、コロナの影響もあって若干の減益となった。オートモーティブ部門は大幅減収ながら赤字幅は若干縮小、自動車需要の低迷の中で、北米車載電池工場の生産性が向上した。インダストリアルソリューションズ部門は減収ながら増益、情報通信インフラ向け需要増と固定費削減が主要因だった。
2020年度の会社計画は、売上高6兆5000億円(前年比9906億円減)、営業利益1500億円(同1438億円減)、当期利益1000億円(同1257億円減)としており、特にライフソリューションズ部門と(同1351億円減)とコネクティッドソリューションズ部門(同790億円減)の下振れが気掛かりである。
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