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装着精度維持の自動化と高密度化対応がマウンタの課題福田昭のデバイス通信(269) 2019年度版実装技術ロードマップ(77)(1/2 ページ)

引き続きアンケート結果を紹介する。今回は「マウンタに対する要求と動向」についてで、実装設備の中では最も多い回答件数を集めている。

» 2020年09月15日 11時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]

マウンタへの要求項目とその順位をアンケートで調査

 電子情報技術産業協会(JEITA)が発行した「2019年度版 実装技術ロードマップ」に関する完成報告会(2019年6月4日に東京で開催)と同ロードマップの概要をシリーズでご報告している。今回はその第77回である。

 本シリーズの第3回から第22回までは第2章「注目される市場と電子機器群」の概要、第23回から第30回までは第3章「電子デバイスパッケージ」の概要、第31回から第63回までは第4章「電子部品」の概要、第64回から第72回までは第5章「プリント配線板」の概要を説明してきた。

2019年6月4日に東京で開催された「2019年度版 実装技術ロードマップ」完成報告会のプログラム。本シリーズの第73回から、第6章「実装設備」(プログラムの10番)の概要を紹介している。出典:JEITA(クリックで拡大)

 第73回からは、第6章「実装設備」の内容を解説している。前回からは、実装設備のユーザー(セットメーカーやモジュールメーカー、アセンブリ受託企業)が実装設備に要求する項目を、JEITAがアンケート調査した結果を報告している。前回は「印刷機(スクリーン印刷機)」に対する要求とその対策をご紹介した。今回は「マウンタ(部品搭載機)」に対する要求を説明する。

第6章「実装設備」の概要。ロードマップ本体から筆者がまとめた。下線部は今回で扱う部分(クリックで拡大)

装着精度維持の自動化が前回と同様に要求項目のトップ

 「マウンタ(部品搭載機)」のアンケート調査では、377件の回答を得た。実装設備の中では最も多い回答件数であり、前回版(2017年度版 実装技術ロードマップ)の337件からは40件増えた。

 要求項目で重要度が最も高かった(回答点数の合計が最も高かった)のは、「搭載精度維持の自動化」である。前回版でもこの項目がトップで、重要度の高さがうかがえる。今回の国・地域別では「搭載精度維持の自動化」は日本で3位、中国で1位、台湾で1位といずれも高い。業種別でもEMS(Electronics Manufacturing Service:電子機器受託製造サービス)や車載などが重要度の1位にこの項目を挙げている。

マウンタ(部品搭載機)に対する要求項目の重要度ランキング(第1位〜第6位と第10位)。出典:JEITA(クリックで拡大)

 重要度の第2位は「高密度化に対応できる実装精度」である。前回の第5位から順位を3つ上げた。搭載部品の小型化と基板設計の高密度化が、重要度を押し上げたとみられる。第3位は「マウンタ起因の部品ズレ、欠品への対策」である。前回の第4位から順位を1つ上げた。第4位は「高精度マシンの低価格化」である。前回の第2位から順位を2つ下げた。

 第5位は「実装速度の高速化」である。前回の第6位から順位を1つ上げた。同一形状の発光ダイオード(LED)を1つのモジュールに数多く実装する照明機器や、スマートフォンを大量生産するEMSなどでは機種切り替えの頻度が低い。マウンタ本体の速度が生産性を大きく左右するので、高速性を重視する。

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