三菱電機は、パワー半導体の新製品として、産業用機器に向けたフルSiC(炭化ケイ素)パワーモジュール9品種を開発、2021年1月から順次発売する。
三菱電機は2020年9月、パワー半導体の新製品として、産業用機器に向けたフルSiC(炭化ケイ素)パワーモジュール9品種を開発、2021年1月から順次発売すると発表した。
新製品は、定格電圧が1.2kVで定格電流が300Aから1200Aまでの7品種と、定格電圧が1.7kVで定格電流300Aの2品種を用意した。これらの新製品は、JFET(接合型電界効果トランジスタ)ドーピング技術を用いて開発したSiC-MOSFETを搭載することで、オン抵抗を従来に比べ約15%も低減している。
また、帰還容量を削減したことで高速のスイッチング動作が可能となり、スイッチング損失を低減することができるという。さらに、SiC-MOSFETとSiC-SBDチップを用いたフルSiC構成により、従来のSi-IGBTモジュールに比べ、電力損失を約70%も抑えた。これらの特長から、冷却器などの周辺部品を小型軽量化することが可能となった。
短絡電流を制限するRTC回路も搭載している(FMF400BX-24BとFMF800DX-24Bを除く)。これにより、短絡耐量と低オン抵抗特性の両立を実現した。短絡検知信号をモニターすることで、短絡時には外部回路で安全に遮断する機能も備えた。モジュール内部では放熱性を向上するため、SiC-MOSFETとSiC-SBDチップを分散して配置するなど、構造上の工夫も行った。
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