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日立ハイテク、欠陥形状評価用のSEMを発売200mm以下のシリコンウエハーが対象

日立ハイテクは、直径200mm(8インチ)以下のシリコンウエハーを対象にした欠陥形状評価SEM(走査型電子顕微鏡)「CT1000」の販売を始めた。ウエハー上のパターン形状や製造工程で発生する欠陥を3次元的に観察することができる。

» 2020年12月01日 10時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

試料ステージ傾斜で3次元的なSEM観察を可能に

 日立ハイテクは2020年11月、直径200mm(8インチ)以下のシリコンウエハーを対象にした欠陥形状評価SEM(走査型電子顕微鏡)「CT1000」の販売を始めた。試料ステージが傾斜するため、ウエハー上のパターン形状や、製造工程で発生する欠陥を3次元的に観察することができる。構成元素を推定することも可能だ。

 IoT(モノのインターネット)や車載用途向けICは、3次元構造の製品も増えている。このため、パターン形成時に生じるウエハー上の欠陥を、インラインで立体的に観察できる形状観察SEMのニーズが高まってきた。

 同社は、IoTや車載デバイス向けに、高い分解能を備えたFEB(電解放出方式による電子ビーム)測長装置「CS4800」を2015年に発売した。そして今回、直径200mm以下のウエハーを用いた既存ライン向けに、欠陥検査やパターン形状観察を行うための「CT1000」を投入した。

 CT1000は、自動搬送されてきたウエハーを、検査装置の試料ステージに正しくセットする。試料ステージを傾斜させることで、3次元的なSEM観察を行うことができる。欠陥を検出した場合、オプションのエネルギー分散型X線分光器を用いて、欠陥の元素分析を行うことも可能である。

CT1000の外観

 CT1000は分解能が7nm@1kV、観察視野サイズは0.675〜135μmである。また、ウエハーを最大55度まで傾斜できるコニカル(円すい)型の対物レンズを搭載した。ウエハーを真上から観察する時には、試料ステージを最大傾斜角度に傾けても、観察の中心位置が大きく移動しないよう、5軸試料ステージを採用した。これによって、対象となる欠陥を見逃さずに検出できるなど、高い作業効率を実現することが可能だという。

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