丸文は、呼吸や心拍を遠隔から計測できるミリ波レーダーセンサー「非接触見守りセンサー」を製品化した。京都大学らの研究グループやマリらと開発したもので、研究用途に向け「生体信号取得研究用機器」として販売を始める。
丸文は2021年2月、呼吸や心拍を遠隔から計測できるミリ波レーダーセンサー「非接触見守りセンサー」を製品化したと発表した。新製品は、京都大学大学院工学研究科の阪本卓也准教授や京都大学国際高等教育院の佐藤亨特定教授らによる研究グループおよび、マリらと開発したもので、研究用途に向け「生体信号取得研究用機器」として販売する。
開発した非接触見守りセンサーは、ミリ波レーダーと専用ソフトウェアからなる。技術基準適合証明を取得したミリ波レーダーにより、人の位置を非接触で検知。呼吸や心拍によって、わずかに変位する体表面のデータを、安定して得ることができるという。
従来のカメラを用いた見守りシステムだと、うつ伏せ状態など対象者の姿勢を検出することはできたが、呼吸や心拍の数を高い精度で計測することは難しかった。衣服に装着して用いる接触型センサーや、マットレスに敷くシート型センサーもあるが、センサーの設置や着脱、さらには消毒に手間がかかり、計測作業を簡単に行うことはできなかった。
開発した非接触見守りセンサーを活用すると、布団や衣服で身体が隠れていても、対象者の呼吸や心拍の数を高い精度で計測でき、頻繁に消毒する手間もかからないという。新製品は医療を目的としたものではなく、技術評価や研究用途で活用するケースに限り、評価用ソフトウェアを無償で提供する。
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