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昭和電工、異種材料の接合技術「WelQuick」を開発わずか数秒で接着、強固に接合

昭和電工は、樹脂と金属など異種材料を接合する技術「WelQuick」を開発し、サンプル出荷を始めた。接着成分をフィルム形状にしており、簡便で強固な接合を可能にした。

» 2021年07月02日 10時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]

「樹脂−金属」など、40通りを超える基材組み合わせ

 昭和電工は2021年6月、樹脂と金属など異種材料を接合する技術「WelQuick」を開発し、サンプル出荷を始めた。接着成分をフィルム形状にしており、簡便で強固な接合を可能にした。

 WelQuickは、ポリカーボネートやポリブチレンテレフタレート、ナイロンなどの樹脂と、アルミニウムや鉄、銅といった金属を接合する技術。基材の組み合わせは「樹脂−金属」「樹脂−樹脂」「金属−金属」など40通りを超え、そのせん断接着力は10MPa以上と高い。

 しかも、フィルム材料の固体と液体間の相変化を利用して接合するため、これまで数十分要していた接着時間を、わずか数秒に短縮することができる。母材表面もほこりや汚れがないように洗浄すればよく、特殊な表面処理を行う必要はないという。

 溶着方法は、接合スピードに優れた「超音波溶着」や、金属に適用可能な「高周波誘導溶着」、アイロンのような単純な加熱装置による「加熱溶着」など、さまざまな方法を用いることができる。

アルミニウムとポリカーボネートの接着例 出典:昭和電工

 この他、フィルム状態で常温による長期保管が可能なうえ、VOC(揮発性有機化合物)を用いていないため、接着時にVOCが飛散しないという。

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