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米国がADASに関連した衝突事故の報告を義務化「1日以内」に報告

米連邦政府の規制当局は、ADAS(先進運転支援システム)のメーカーや事業者に対し、衝突事故の迅速な報告を義務付けると発表した。これにより、ADASの監視が強化されることになる。

» 2021年07月06日 09時40分 公開
[George LeopoldEE Times]

 米連邦政府の規制当局は、ADAS(先進運転支援システム)のメーカーや事業者に対し、衝突事故の迅速な報告を義務付けると発表した。これにより、ADASの監視が強化されることになる。

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 米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は2021年6月29日、自動車メーカーや事業者に対し、自動運転システムおよびレベル2のADAS搭載車に関する衝突事故の報告を命じる事故報告命令を発付した。企業は今後、事故の発生を知ってから「1日以内」に報告しなければならなくなる。この命令は、死亡事故や負傷事故、車両のけん引、エアバッグの展開、歩行者または自転車を巻き込んだ事故を対象とする。

 NHTSAの命令は、ADS(Automated Driving System)およびレベル2のADASソフトウェアを含め、機器メーカーを対象としている。また、事故報告書には、事故の間または事故直後にどの自動運転システムを使用していたかを詳述する必要がある。

 この命令では、「先進運転システムは自動車と運転の本質を根本的に変えてしまうため、自動車の安全性にこれまでにない新たなリスクをもたらす。ADSで動作する車両は、センサーやその他の技術の設計と性能に安全性に関する潜在的な問題を抱えている」と指摘している。なお、これらの技術は、車両の位置を特定し、他の道路利用者や対象物を識別、分類して位置を認識するために使用される。

 NHTSAは、ドライバーがADAS技術に依存している場合の「慣例のない責任分担」に言及し、「ADASの誤用(ドライバーによる過度の依存を含む)は、予見可能なリスクと安全面での潜在的な欠陥を生み出す可能性がある」と述べている。

 レベル2のシステムは、状況によってはステアリングとブレーキ、アクセルを同時に制御できる。

 NHTSAの長官代理を務めるSteven Cliff氏は、「事故の報告を義務付けることで、NHTSAは、これらの自動運転システムで発生する可能性のある安全上の問題の迅速な特定に役立つ、重要なデータにアクセスできるようになる。さらに、データを収集することで、連邦政府が自動運転車の安全性を注意深く監視しているという国民の信頼を得ることもできる」と述べている。

 15ページにわたる命令には、AppleからZooxまで、新しい報告義務の対象となるメーカーや事業者の非常に長いリストが含まれている。

 規制当局はこの命令によって、特定の事故に関して、調査チームの派遣やメーカーや事業者への追加情報の提供の要求など、さらなる措置を講じることもできるようになる。また、欠陥の調査も可能となる。

 アナリストらは、ADAS技術は意図しない結果をもたらすことがあると指摘している。この現実については、Teslaの自動運転システムに関連した最近のいくつかの事故の後、連邦規制当局も認めているようだ。

 業界アナリストのEgil Juliussen氏は2021年の初めに、「全てのADASは、他のシステムより優れた機能で衝突防止に役立つと期待されている。ただし、長期的な使用による潜在的な障害やADAS搭載車両への依存など、意図しない結果が生じる可能性もある」と指摘している。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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