Intel 20Aから導入するRibbonFETは、チャネルをゲートで取り囲む、いわゆるGAA(Gate-All-Around)構造を持つFETである。GAAは、短チャネル効果耐性が強く、高い電流駆動能力を持つという利点がある。
Intelが「nanoribbon(ナノリボン)」と呼ぶチャネルを積層することで、同じ駆動電流を持つFinFETに比べ、実装面積が小さいRibbonFETを実現できる 出典:「Intel Accelerated」のウェブキャストのキャプチャー(クリックで拡大)PowerViaは新しい電力供給技術だ。これまではICの中で混在していた電源配線と信号配線を分け、ウエハー裏面に電源配線を設ける。信号配線はこれまでのようにトランジスタの上部に積層する金属層に作り込む。このように、「電源配線と信号配線の“道筋”を分ける」(土岐氏)ことで、ICの設計がしやすくするだけでなく良好なシグナルインテグリティを実現できるとする。
「PowerVia」の概念。トランジスタの上部が信号配線(金色の線)で、電源配線(銅色の線)はウエハー裏面に作り込まれる 出典:「Intel Accelerated」のウェブキャストのキャプチャー(クリックで拡大)パッケージング技術の拡張も発表された。Intel独自の2.nD(2.n次元)のパッケージング技術である「EMIB(Embedded Multi-die Interconnect Bridge)」では、バンプのピッチが、現行世代の55μmから40μmまで狭くなる。つまり、より高密度になる。
次々世代のクライアント向けプロセッサである「Meteor Lake」には、3Dパッケージング技術「Foveros」が採用されるが、このバンプピッチは36μmで、5〜125WのTDP(Thermal Design Power)をサポート可能になる。なお、Intelが開発中のGPU「Ponte Vecchio(開発コードネーム)」には、EMIBとFoverosの両方が採用されている。
Foverosの次世代技術が「Foveros Omni」と「Foveros Direct」である。Foveros Omniは、上部のダイが、下部のダイを経由することなく基板に直接、TSV(シリコン貫通ビア)で接続される。これにより、より柔軟な設計や、電源および信号配線のさらなる最適化を図ることができる。Foveros Directでは、ダイを接続する際、はんだボールではなく銅線同士を直接接続させる。10μm未満のバンプピッチを実現でき、3D積層におけるインターコネクト密度を格段に上げられる。Foveros Omni、Foveros Directともに2023年の量産開始を予定している。
なお、Intel Acceleratedでは、IFSの顧客として、AWSがIntelのパッケージング技術を、QualcommがIntel 20Aプロセスを採用することも明らかになった。
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