Intelがプロセスの名称を変更、「nm」から脱却へ:パッケージング技術の最新情報も(2/2 ページ)
Intel 20Aから導入するRibbonFETは、チャネルをゲートで取り囲む、いわゆるGAA(Gate-All-Around)構造を持つFETである。GAAは、短チャネル効果耐性が強く、高い電流駆動能力を持つという利点がある。
「RibbonFET」の断面の電子顕微鏡写真 出典:Intel(クリックで拡大)
PowerViaは新しい電力供給技術だ。これまではICの中で混在していた電源配線と信号配線を分け、ウエハー裏面に電源配線を設ける。信号配線はこれまでのようにトランジスタの上部に積層する金属層に作り込む。このように、「電源配線と信号配線の“道筋”を分ける」(土岐氏)ことで、ICの設計がしやすくするだけでなく良好なシグナルインテグリティを実現できるとする。
PowerViaの断面の電子顕微鏡写真 出典:Intel(クリックで拡大)
パッケージング技術の拡張も発表された。Intel独自の2.nD(2.n次元)のパッケージング技術である「EMIB(Embedded Multi-die Interconnect Bridge)」では、バンプのピッチが、現行世代の55μmから40μmまで狭くなる。つまり、より高密度になる。
次々世代のクライアント向けプロセッサである「Meteor Lake」には、3Dパッケージング技術「Foveros」が採用されるが、このバンプピッチは36μmで、5〜125WのTDP(Thermal Design Power)をサポート可能になる。なお、Intelが開発中のGPU「Ponte Vecchio(開発コードネーム)」には、EMIBとFoverosの両方が採用されている。
Foverosの次世代技術が「Foveros Omni」と「Foveros Direct」である。Foveros Omniは、上部のダイが、下部のダイを経由することなく基板に直接、TSV(シリコン貫通ビア)で接続される。これにより、より柔軟な設計や、電源および信号配線のさらなる最適化を図ることができる。Foveros Directでは、ダイを接続する際、はんだボールではなく銅線同士を直接接続させる。10μm未満のバンプピッチを実現でき、3D積層におけるインターコネクト密度を格段に上げられる。Foveros Omni、Foveros Directともに2023年の量産開始を予定している。
「Foveros Omni」(左)と「Foveros Direct」の概念と、断面図の電子顕微鏡写真 出典:Intel(クリックで拡大)
なお、Intel Acceleratedでは、IFSの顧客として、AWSがIntelのパッケージング技術を、QualcommがIntel 20Aプロセスを採用することも明らかになった。
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は猛威をふるい続け、ワクチン接種という明るい兆しはあれど、感染の収束のメドは立たず厳しい状況は続いている。そうした中、COVID-19による勤務環境や生活環境の変化がけん引力となり、半導体市場は力強く回復している。今回は、半導体不足に加え、企業動向や技術動向も含め、2021年上半期を振り返ってみたい。
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