インフィニオン「業界初」USB PD 3.1対応マイコンを発表:最大140W(28V/5A)の受給電に対応(2/2 ページ)
PMG1ファミリーは、PMG1ーS3シリーズ以外にも、さまざまなニーズに対応するラインアップを用意している。
「EZ-PD PMG1ファミリー」の製品ラインアップ (クリックで拡大) 出典:インフィニオン テクノロジーズ ジャパン
PMG1ーS0シリーズは受電(シンク)専用のUSB PDコントローラなど機能を絞った最もシンプルな構成で、ポータブルファンなど主に小型家電用途に向ける。PMG1ーS1シリーズは、PMG1ーS0シリーズと同様シンプルなペリフェラルながらUSB PDコントローラ機能は受給電(シンク/ソース)対応で、スマホなどを充電できるモバイルバッテリー機能を備えたワイヤレススピーカーなどを実現できる構成。さらに、PMG1ーS1シリーズにハードウェア暗号化エンジンなどを追加したPMG1ーS2シリーズもある。
「EZ-PD PMG1ファミリー」の応用例 (クリックで拡大) 出典:インフィニオン テクノロジーズ ジャパン
PMG1ーS0、同S1、同S2は、いずれもArm CortexーM0コア(最大動作周波数48MHz)を採用し、レギュレーター、ゲートドライバなどの高電圧回路の対応電圧は21.5Vになっている。
PMG1ーS3シリーズを除いて既に量産出荷中。PMG1ーS3シリーズについては現在サンプル出荷中で、量産開始は2021年中を予定している。
デバイスの提供とともに展開している「PMG1ファミリー」のプロトタイピングキットの概要 (クリックで拡大) 出典:インフィニオン テクノロジーズ ジャパン
インフィニオン テクノロジーズ ジャパン パワー&センサーシステムズ事業本部でワイヤード コネクティビティ マーケティング ディレクターを務める山田祥之氏は「PMG1ファミリーは、USB PDシステム設計者が直面する3つの課題を解決できるUSB PDソリューションだ。1つは、実証されたUSB PDスタックをデバイスとともに提供できるので、『USBおよび、USB PDに対する深い知見を習得しなければならないという課題』を解消できる。また、マイコンとUSB PDコントローラの統合や高電圧回路の搭載でシステムコストやサイズといった課題も解決し、昨今、課題感が高まっているセキュリティ面でも、暗号化エンジンの搭載などによりクリアできる」とする。
インフィニオンでは、PMG1ファミリーの拡販を進めるとともに、180Wの(36V/5A)や240W(48V/5A)などより大きな電力に対応するUSB PD 3.1対応マイコンや、車載対応製品の開発を進めていくとしている。
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