2つ目の核となる製品が、ニューラルネットワーク用アクセラレーター(NNA)IPだ。「IMG Series4」が最新となる。IMG Series4の性能は1コアで12.5TOPS。マルチコア構成が可能な拡張性を備えていることが特長で、2/4/6/8コアを1クラスターとして構成することもできる。8コアのクラスターであれば100TOPS(12.5×8)の処理性能となる。クラスターを接続していくことで、500TOPSなどADASや自動運転に必要な処理性能を備えるNNAを実現できる。
さらに、GPUコアとNNAを組み合わせることで、「ImaginationならではのAI向けのシナジー」(内村氏)も実現できる。具体的には、GPUコアとNNAに加え共通のメモリ(SRAM)を活用して、低遅延でグラフィックスの処理とAIの処理を行えるデバイスを構築することができる。特にAIについては、GPUコアにHyperlane Technologyを適用することで、GPU側で浮動小数点演算を、NNA側で量子化後の整数演算を行って効率よくAIを処理できるようになる。「Imagination は、こうしたシナジーを容易に実現するソフトウェア開発環境を含め、統合的なソリューションを提供する」(内村氏)
3つ目の主要な製品群は、車載向けのイーサネットパケットプロセッサ(EPP)IPである。車載ネットワークでギガビットイーサネット(GbE)の採用が拡大する中、高い信頼性と安全性を備えた車載イーサネットを実現すべく、用意された製品だ。ルーター向けとスイッチ向けの2種類のEPP IPがある。このEPP IPは、NXP Semiconductorsの車載ネットワークプロセッサ「S32」にも採用されている。
日本市場においては、オートモーティブに最も注力している。内村氏は「Imaginationは自動車に関して強くフォーカスしており、完全な製品ラインアップをそろえていることが強みだ。現在はIVIやコックピットでの採用が多いが、今後はADASでの採用も増えていくとみている」と述べる。「オートモーティブ以外でも、産業機器やロボティクス、ゲーミング、HPC(High Performance Computing)などにも注力していく計画だ」(内村氏)
NNAについては、「ニューラルネットワーク用のアクセラレーター市場は、新興企業も多く、さまざまな企業のさまざまな製品が“乱立”している状態だ。そのため、NNA単体で勝負するのは難しいと考えている。先ほど話したAIシナジーのような、グラフィックスと組み合わせて強みを出していきたい」と語った。
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