地上からではなく、逆に宇宙空間からの送電を構想したのが航空宇宙エンジニアのピーター・グレイザー(Peter Edward Glaser、1923年9月5日生〜2014年5月29日没)だ。グレイザーは宇宙空間の太陽光発電所からマイクロ波ビームによって地球に電力を送るアイデアを着想し、1973年12月に米国特許「US3781647」を取得する。
左端はグレイザーの肖像。その右は宇宙発電所からマイクロ波ビームで地球に電力を伝送する特許「US3781647」の表紙と図面[クリックで拡大] 出所:imecおよびEindhoven University of Technology(IEDMショートコースの講演「Practical Implementation of Wireless Power Transfer」のスライドから)
ワイヤレス電力伝送の過去から未来までを展望
今回から、「IEDM 2021」でオランダimec Holst Centreでシニアリサーチャー、オランダEindhoven University of TechnologyでフルプロフェッサーをつとめるHubregt J. Visser氏が講演した「Practical Implementation of Wireless Power Transfer(ワイヤレス電力伝送の実用的な実装)」の内容を紹介する。