2022年度通期の見通しは、売上高が前年比6.5%増の1兆9300億円、営業利益が同3.8%増の4400億円、純利益が同3.1%増の3240億円と計画している。予想における現状認識については右下図の通りでウクライナ危機に伴う自動車生産台数の減少(250万台)や原材料高騰および電力料金上昇によるコスト増(2022年3月末時点の状況をもとに試算)、中国ロックダウンによるサプライチェーン混乱が同年度第2四半期に正常化するといった前提だ。
ロシアのウクライナ侵攻による影響に関し、村田氏は「当社はほとんど取引がなく直接的な影響は出ていないが、間接的な影響として資材の値上がり、燃料コスト増がある。それに加えて、自動車市場では一部部品をウクライナに頼っている部分もあり、今期見通しはその影響を織り込み済みだ」と語った。
また、材料や燃料コスト増の影響については、「2021年度はそれほど大きくなかった。一部影響を受けた製品もあるが、ある程度価格に転嫁しており、損益への直接的な影響は非常に少なかった。今期は、銅や銀などの値上がりもあり影響はある。燃料コストの値上がりについては年間80億円影響が出ると見込んでいる」とした。
部品需要としてはPC市場における巣ごもり/テレワーク需要が剥落する他、スマホ市場では中国メーカーの回復、5G(第5世代移動通信)端末で部品需要が大きく伸びるものの、市場全体の伸びは鈍化すると見込む。
一方で、2022年度に半導体不足が回復に進むとの見通しから、自動車市場、特にxEV分野での需要の拡大を見込んでいるという。村田氏は、「ウクライナの問題、インフレの問題で市場全体が逆方向に陰ってくるということは考えられなくはないが、今のところは起こらないとの想定で計画している」と述べた。
同社は、中期的な部品需要の拡大に備えた生産能力増強投資を中心に、前期比872億円増の2400億円の設備投資を計画している。
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