DC600Vを遮断するリレー、蓄電システムの高容量化に貢献:アークを“引き延ばして”遮断(2/2 ページ)
G9KBの電気的寿命は、定格負荷において+/−2000回。「プラス、マイナスと区別することのない双方向開閉を、DC600Vという高い電圧レベルで実現している製品は、他にないのではないか」とオムロンは説明する。双方向開閉の実現により、同等の機能を備える片方向リレーと比較して、基板の床面積を約75%削減。コイル消費電力は約2.8W(保持電圧45%で0.57W)で、既存の同等品と比べて約60%削減できる。
G9KBと同等の機能を持つリレーは片方向なので、充電の方向、放電の方向にそれぞれリレーが2個ずつ必要になる。G9KBを採用することで、リレーの数量を減らすことができ、コイル消費電力と基板面積の削減につながる[クリックで拡大] 出所:オムロン
オムロンでは、リレーは電子部品事業に含まれる。同事業においてリレーは、スイッチ、コネクターと併せて売上高の77%を占める(2020年度時点)主力製品だ。
オムロン 電子部品事業の売り上げの構成比[クリックで拡大] 出所:オムロン
同社が2022年4月に発表した2021年度決算では、電子部品事業の売上高は1064億円で、前年度比で23.7%増と大幅な増収となった。電子部品事業の2022〜2024年度の中期経営計画では、2024年度に売上高1100億円、営業利益110億円を目標にしている。リレー/スイッチ/コネクターについては、「電気をつなぐ(オンにする)、切る(オフにする)技術として、特にDC向けの電子部品に注力していく」(オムロン)という。G9KBでは、2024年度までに4億円の売り上げを目指す。
- 接触抵抗0.2mΩの低発熱高容量リレー、オムロン
オムロンは2021年7月1日、200Aの高容量で「業界トップクラス」(同社)とする0.2mΩの超低接触抵抗を実現する低発熱高容量リレー「G9KA」を発売した。太陽光発電システムのパワーコンディショナーを中心に、EV(電気自動車)急速充電器、ロボットコントロール機器などに向けて提供していく予定で、2025年までに2億5000万円以上の売り上げを目指す。
- ミネベアミツミ、オムロン8インチ半導体工場/MEMS開発機能を取得へ
ミネベアミツミは2021年6月30日、子会社のミツミ電機を通じてオムロン野洲事業所内の半導体/MEMS工場および、MEMS製品開発機能を譲り受けることでオムロンと合意し契約を締結したと発表した。
- 東北大学、カーボンリサイクル技術の事業化を検証
東北大学は、産業廃棄物(シリコンスラッジ)とCO2(二酸化炭素)を反応させて、SiC(炭化ケイ素)を合成する技術を開発し、カーボンリサイクル技術として事業化に向けた検証を行っていく。
- 「世界最速」のCT型X線基板検査装置、オムロン
オムロンは2021年11月10日、従来機から検査速度を1.5倍高速化し、「世界最速」(同社)で電子基板を3D検査可能なCT型X線自動検査装置「VT-X750-V3」を開発し、2021年11月20日からグローバルで発売すると発表した。
- 厚み7μmの圧電薄膜アクチュエーターを開発
産業技術総合研究所(産総研)とオムロンは、厚みが7μmと極めて薄い圧電薄膜アクチュエーターと、これをアレイ化したハプティクス用フィルム状振動デバイス(ハプティクスフィルム)を開発したと発表した。
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