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接触抵抗0.2mΩの低発熱高容量リレー、オムロン「業界トップクラス」

 オムロンは2021年7月1日、200Aの高容量で「業界トップクラス」(同社)とする0.2mΩの超低接触抵抗を実現する低発熱高容量リレー「G9KA」を発売した。太陽光発電システムのパワーコンディショナーを中心に、EV(電気自動車)急速充電器、ロボットコントロール機器などに向けて提供していく予定で、2025年までに2億5000万円以上の売り上げを目指す。

» 2021年07月05日 09時30分 公開
[永山準EE Times Japan]

 オムロンは2021年7月1日、200Aの高容量で「業界トップクラス」(同社)とする0.2mΩの超低接触抵抗を実現する低発熱高容量リレー「G9KA」を発売した。太陽光発電システムのパワーコンディショナーを中心に、EV(電気自動車)急速充電器、ロボットコントロール機器などに向けて提供していく予定で、2025年までに2億5000万円以上の売り上げを目指す。

低発熱高容量リレー「G9KA」(クリックで拡大)出典:オムロン

 脱酸素社会に向けて普及が求められている太陽光などの再生可能エネルギーだが、発電時に発熱によるエネルギーロスが発生することで、機器内部にヒートシンクや冷却ファンなどの放熱機構を追加で設置する必要があるほか、部品の発熱による基板劣化が機器本体の耐用年数の低下につながるケースや故障/メンテナンス頻度が増加する、といった課題がある。また、災害時のリスクヘッジなどの理由から、パワーコンディショナーの高容量化、大電流化が加速しており、発熱対策は喫緊の課題となっている。

 この発熱要因の1つとして挙げられるのがリレーであり、同社説明担当者は、「機器内部で発熱している素子の約20%くらいがリレーが起因となって発熱しているといわれている」と説明。今回開発した製品で発熱を抑制することでシステムの発電効率の向上、長寿命化の他、放熱機構を簡素化したことによる機器の小型化、軽量化を実現するとしている。

 左下図は、G9KAの主な仕様だ。0.2mΩという低接触抵抗を実現したことで、従来の一般的な高容量リレーと比較し200A通電時のリレーの温度上昇を約30%抑えることができるという(480VAC/200A、周囲温度85℃、自然空冷、基板に1個設置という条件下でシミュレーション)

左=低発熱高容量リレー「G9KA」の主な仕様/右=G9KAと一般的な高容量リレーとの比較(クリックで拡大)出典:オムロン

 同社はこの低接触抵抗を実現させた設計、生産技術として2点を紹介。1つは「材料の見直し」で、「詳しくは明かせないが、リレーの接点には一般的に銀を使用し、そこに混ぜ物を入れる。今回、200Aで開閉を円滑に行いつつ、抵抗が小さくなるようなバランスに材料を選定した」としている。2つ目は、「電流の制御」で、接点を従来のシングル接点からツイン接点にすることで電流を分散し、発熱量を抑えたという。

低接触抵抗を実現した2つのポイント(クリックで拡大)出典:オムロン

 また、200A(AC800V)を通電、遮断することができるため、大きな電流負荷を遮断する必要のある機器やアプリケーションに使用することが可能。高容量の電力制御用途として主に使用されるコンタクターから置き換えれば、「同程度の電流容量のコンタクターと比べ、部品本体の高さが3分の1程度に抑えられ、機器の小型化、省スペース化に貢献する」としている。

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