キョウデン、タイにEV向け多層基板の新工場建設:生産能力を現行の1.5倍に増強
キョウデンは、EV向け多層基板の量産工場をタイに建設する。新工場(第4工場)は2023年12月に完成する予定。新工場が稼働すれば生産能力は現在に比べ1.5倍に増える。
キョウデンは2022年5月、EV向け多層基板の量産工場をタイに建設すると発表した。新工場(第4工場)は2023年12月に完成する予定。新工場が稼働すれば生産能力は現在に比べ1.5倍に増える。
新工場を建設するのはタイのKYODEN(Thailand)。敷地内には既に拡張用の土地を取得済み。自動車のEV化や電装化が進む中で、多層系プリント配線板の需要が拡大している。既に大型案件の受注も内諾を得ており、生産体制の強化を急ぐ必要があった。
キョウデンは、2021年11月に公表した中期経営計画の中で、タイへの第4工場建設を検討しており、2022年8月にも着工することを決めた。建屋の延べ床面積は約3万8000m2で、投資総額は130億円を予定している。
第4工場は2024年までを「フェーズ1」とし、月産3万m2体制で貫通多層基板を量産する。さらに、2026〜2027年までを「フェーズ2」として、月産3万m2の生産能力を追加、合計月産6万m2規模で貫通多層基板を増産する体制が整う。
キョウデンタイ第4工場の完成予想図 出所:キョウデン
新工場が稼働すれば、同社の多層系プリント配線板生産能力は、現行の月産13万m2体制から、同19万m2規模へと増える。なお、今後の市場環境によっては、ビルドアップ/高周波・高放熱基板への対応も検討していくという。
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