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インテルによるNORフラッシュ独占を崩すAMDと富士通の参入(1992年〜1993年)福田昭のストレージ通信(224) フラッシュメモリと不揮発性メモリの歴史年表(8)(2/2 ページ)

» 2022年08月02日 11時30分 公開
[福田昭EE Times Japan]
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フラッシュメモリをシステムに組み込む環境が整う

 1992年〜1993年はNORフラッシュの用途拡大が地道に進んだ。PCでは、インテルが1992年にBIOS用フラッシュメモリを製品化したことをきっかけとして、BIOSの格納用メモリにNORフラッシュを採用する動きが始まった。

 またPCカードとSSDの技術仕様が進化し、ストレージ普及の下地が整ってきた。技術仕様の開発ではサンディスク(SunDisk)とエム・システムズ(M-Systems)が大きく貢献した。

 サンディスクはフラッシュメモリをPCのストレージとして扱うための仕組み「System Flash」を考案し、1989年に特許を申請した。この特許では、フラッシュメモリとシステムバスの間にコントローラーを配置することでフラッシュメモリの特殊性を隠蔽し、フラッシュメモリの使いやすさを大きく高めている。現在から見るとごく普通のアーキテクチャなのだが、当時は画期的なアイデアだった。

サンディスクが考案した「System Flash」の仕組み。米国特許US7190617の図面から[クリックで拡大]

 エム・システムズはフラッシュメモリの物理アドレスと論理アドレスを変換する仕組み「FTL(Flash Translation Layer)」を考案した。こちらも今から見るとごく普通の仕組みだが、当時は極めて重要なアイデアだった。「System Flash」と「FTL」はともに、PCMCIAがフラッシュメモリカードの技術仕様に採用した。

(次回に続く)

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